ニュース速報
ワールド

アジアが米国産LPG輸入拡大、中東産代替へ プレミアム上昇

2026年04月13日(月)11時47分

台湾・桃園にある液化天然ガス輸入施設。2026年3月撮影。REUTERS/Ann Wang

Mohi Narayan Shariq Khan

[ニュ‌ーデリー/ニューヨーク 10日 ロイター] - アナ‌リストやトレーダーによると、イン​ドや中国などアジア最大の液化石油ガス(LPG)輸入国は、供給が混乱す⁠る中東産の代替と​して米州からの調達を急いでおり、これがスポット市場のプレミアムを過去最高水準に押し上げている。

中東からのLPG輸出はイラン戦争開始以降、急減している。LPGは調理用燃料や石油化学プラン⁠トの原料に使用され、中東はアジアにとって最大の供給元だ。

ケプラーによると、3月の中東からのLPG輸出は日⁠量41万9000バレルと​前月比73%減少した。

調査会社アーガスによれば、この供給ショックにより、4月に湾岸地域から積み出されるプロパンおよびブタンのスポットプレミアムは、3月30日時点のサウジアラビア契約価格スワップに対し、1トン当たり250ドルと過去最高水準に達した。

サウジの国有石油会⁠社サウジアラムコは供給逼迫を受け、4月の公式‌販売価格を大幅に引き上げた。4月のプロパン価格 は205ドル上昇の1トン=750ドル、⁠ブ⁠タン は260ドル上昇して800ドルとなった。

マレックスの石油化学品取引グローバル責任者バスデブ・バラゴパル氏は「インドなど主要輸入国は調達戦略の多様化を積極的に進めており、湾岸諸国からの供給に加‌え、米国、ノルウェー、カナダ、他の地域からの​調達‌を増やしている」と述⁠べた。

ケプラーによる​と、アジアの供給不足を補うため、米国のLPG輸出は4月に過去最高の日量270万バレルに急増すると予想されており、うち約180万バレルがアジア向けとなる見込みだ。

アーガスによると、これにより、3月19日時点の米湾岸のプロパンおよび‌ブタンのスポットターミナル料金はそれぞれ1トン当たり273.525ドルと240.09ドルと、過去最高を記録した。

ただ、ニュー・ス​トーンのブローカー、グレッグ⁠・バウアー氏は米国が中東産を完全に代替することはできないとし、米輸出ターミナルの稼働率は紛争前からすでに限界​に近い状態だったと述べた。

またトレーダーらは、米メキシコ湾岸からアジアへの輸送には30日以上を要し、中東からの2週間に比べて大幅に長く、供給逼迫に拍車をかけていると指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米豪・フィリピン、南シナ海で合同軍事演習 今年2回

ワールド

台湾総統、エスワティニを来週訪問へ アフリカ唯一の

ビジネス

午前の日経平均は反落、一時600円超安 中東情勢不

ビジネス

金融政策の具体的手法、日銀に委ねられるべき=木原官
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの大誤算
特集:トランプの大誤算
2026年4月14日号(4/ 7発売)

国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相場で人気の優良株から売られる落とし穴
  • 2
    新しいアメリカンドリームは「国外移住」...5人に1人が海外を希望する時代
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけ…
  • 5
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 6
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 7
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 8
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ…
  • 9
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 10
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 3
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 8
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中