マスク氏、減税法案は「赤字削減を阻害」 トランプ氏は協議意向

トランプ米大統領の「大きく美しい」税制・支出法案を巡り、米実業家のイーロン・マスク氏(写真)は、同法案が米国の財政赤字削減に向けた取り組みを阻害すると批判した。写真はワシントンで4月撮影(2025年 ロイター/Evelyn Hockstein)
[ワシントン 28日 ロイター] - トランプ米大統領は28日、大規模な減税の延長などを盛り込んだ税制・歳出法案の内容について協議する予定だと述べ、一部条項に不満を示した。
同氏が「大きく美しい」とする同法案は、下院が22日に可決。現在、上院で審議が行われている。議会予算局によると法案が成立した場合、今後10年間で連邦債務が3兆8000億ドル程度増える見込み。
米実業家イーロン・マスク氏は27日放送のCBSニュース「サンデー・モーニング」のインタビューで、法案が米国の財政赤字削減に向けた取り組みを阻害すると批判。
「正直に言って、この巨額の支出法案を見てがっかりした」とし、「法案は大きくも美しくもなり得ると思うが、その両方を実現できるかどうかは分からない」と、財政赤字削減ではなく増大につながる可能性に懸念を示した。
トランプ氏はマスク氏の懸念に直接言及せず、「法案について交渉することになるが、幾つかの面については満足していないが、他の面には興奮している」と記者団に語った。
また、上院での可決に向け十分な支持を確保する必要があると強調し、「縮小はできない。多くの支持を得る必要がある」と述べた。
ホワイトハウス当局者は、マスク氏率いる政府効率化省(DOGE)が連邦支出を対象に行った削減策を正式なものにするため、早ければ来週にも法案を議会に送る予定だと述べた。