ニュース速報
ワールド

米旅客機空中衝突事故、生存者なしか トランプ氏は前政権を非難

2025年01月31日(金)03時48分

 米首都ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港近くで29日、アメリカン航空のリージョナルジェット旅客機が米軍のヘリコプター「ブラックホーク」と衝突し、空港付近のポトマック川に墜落した事故で、米当局は30日、28人の遺体を収容したと明らかにした。30日撮影(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)

[ワシントン 30日 ロイター] - 米首都ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港近くで29日、アメリカン航空のリージョナルジェット旅客機が米軍のヘリコプター「ブラックホーク」と衝突し、空港付近のポトマック川に墜落した。

米当局者は30日、これまでに28人の遺体が収容されたとし、「現時点では生存者がいるとは考えていない」と述べた。事故による死者は60人超に上るとみられ、米国としては過去20年超で最悪の航空事故となる可能性がある。

トランプ大統領はホワイトハウスで行った会見で、ヘリのパイロットを批判し、航空管制官に責任があったかどうかは確実には分からないと述べた。その上で「事故の原因は分からないが、われわれは極めて見解を持っている」とした。

墜落したアメリカン・イーグル5342便は、オハイオ州を拠点とするアメリカン航空の地域子会社、PSA航空が運航していた。アメリカン航空は60人の乗客と4人の乗員の搭乗を確認。アメリカン航空のロバート・アイゾム最高経営責任者(CEO)によると、同機のパイロットには約6年の飛行経験がある。

米軍ヘリには兵士3人が搭乗しており、ヘグセス国防長官によると、「かなり経験豊富な乗組員」が操縦し、年次技能訓練飛行を行っていた。

当局者はロイターに対し、今回の事故に関連する陸軍部隊のヘリコプターの飛行は一時停止されたと語った。

ダフィー運輸長官は、旅客機とヘリはいずれも標準的な飛行パターンで、通信に支障はなかったと述べた。

墜落した旅客機の乗客にフィギュアスケート・ペアの元世界チャンピオン、ロシアのエフゲーニヤ・シシコワさんとバディム・ナウモフさんが含まれていたことについて、トランプ大統領は「ロシアと連絡を取っている」と述べた。

ロシア国民の遺体返還を支援するかとの質問に対し、「答えはイエスだ。支援する」とし、旅客機にはロシア以外の国籍の乗客も乗っていたと応じた。

トランプ氏はまた、航空管制システムが適切に構築されていないと主張。さらに、バイデン前大統領が航空管制官の採用基準を下げたと非難し、多様性推進の取り組みが、米連邦航空局(FAA)の能力に影響した可能性を示唆した。

多様性のある雇用が今回の事故につながったのかという記者団からの質問に対しては、「そうかもしれない」と答えた。しかし、この主張を裏付ける証拠は何ら示されていない。

さらにFAA長官代行に、米空軍の退役軍人でFAAで20年超勤務したクリス・ロシュロー氏を任命したと明らかにした。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

IBM、コンフルエントを110億ドルで買収 AI需

ワールド

EU9カ国、「欧州製品の優先採用」に慎重姿勢 加盟

ビジネス

米ネクステラ、グーグルやメタと提携強化 電力需要増

ワールド

英仏独首脳、ゼレンスキー氏と会談 「重要局面」での
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    死刑は「やむを得ない」と言う人は、おそらく本当の…
  • 10
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中