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アングル:奴隷制の過去に向き合う米大学、子孫への奨学金などで償い

2023年09月17日(日)15時15分

  9月12日、 米国の大学が今、奴隷制に関わった過去を直視し、償いを進めている。写真は、奴隷により建設されたとされるジョージタウン大学の寮。首都ワシントンで2019年8月撮影(2023年 ロイター/Carlos Barria)

David Sherfinski

[シャーロッツビル(米バージニア州) 12日 トムソン・ロイター財団] - 米国の大学が今、奴隷制に関わった過去を直視し、償いを進めている。謝罪や校舎の名称変更、子孫への奨学金供与といった取り組みが中心で、米国全体で進む賠償を巡る議論を方向付ける可能性もある。

バージニア州議会は2年前、1865年以前に設立された5つの公立大学に対し、「奴隷制度との歴史的なつながりが実証された」個人や地域社会に対する奨学金や経済開発プログラムの設立を義務付けた。この種の法律が制定されたのは初めてだ。

大学は、過去に大学で働いた奴隷の人々を顕彰するよう指導も受けている。

5大学はこの州法の順守を急いでおり、ジョージタウン大学は最近、奴隷「和解基金」から初の奨学金を授与した。

「バージニア大学に行って、文字通り台座の上に立つ(創設者)トーマス・ジェファーソンの銅像を目にする時の気分はどんなだと思いますか」と語るのは、ジェファーソン大統領が自宅で奴隷として使っていた一家の子孫、ロビン・リーブズ・バークさんだ。

彼女は、今年この大学に入学する息子が奨学金制度の対象として受け入れられることを望んでいる。

米国では今、奴隷制への賠償を巡る議論が活発化している。議会は、人種的・経済的差別に苦しんできた黒人の子孫に対する金銭的補償の提案を検討中だ。

<信頼回復>

バージニア州で法案を提出したデービッド・リード州議会議員は、「これは404年来の問題だ。対処するには個々の議員、大学、そして議会の長期的な努力が必要だ」と語る。

5つの大学の1つ、バージニア・コモンウェルス大学は今年、1800年に反乱を起こし失敗した奴隷男性、ガブリエル・プロッサーさんに敬意を表し、「プロジェクト・ガブリエル」と名付けた特別委員会を発足させ、提言を集めている。

委員会の共同委員長であるクリフトン・ピー氏は、黒人の奴隷を使用していたバージニア州の歴史を考えれば、信頼を回復することが最も重要だと言う。

<険しい道のり>

ジョージタウン大学は今年、過去にメリーランド州のプランテーションで奴隷として働いた人々の子孫に助成するための基金から、初の補助金供与を行った。

プランテーションは奴隷約300人を売却し、同大学はその収入を1838年に受け取った経緯がある。

ジョージタウン大はまた、過去について公に謝罪し、2017年には校舎の1つを過去の奴隷の名前に改名した。

広報担当によると、同大学は現在、奴隷制度のデジタルアーカイブ作成に取り組んでおり、今年は新たな奴隷研究センターの設立を発表した。

しかし、道のりはまだ長いとメリサンド・ショートコロンブさんは言う。彼女は、売却代金がジョージタウン大に流れた奴隷の子孫だ。

2017年に同大学に入ったショートコロンブさんは「ジョージタウン大は未だに、圧倒的に白人のために白人的な事を行う、白人支配の機関だ」と述べ、始まったばかりの取り組みの真価が問われるのは10年、15年、20年後になると強調した。

ロイター
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