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北朝鮮の金総書記、食料増産へ農地拡大・インフラ改善を指示

2023年03月02日(木)12時52分

 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(写真)は3月1日、食料増産に向けてインフラの改善と農地拡大を指示した。国営メディアが2日に報じた。平壌で撮影。KCNAが1日配信(2023年 ロイター)

[ソウル 2日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は1日、食料増産に向けてインフラの改善と農地拡大を指示した。国営メディアが2日に報じた。同国を巡っては食料事情の切迫が懸念されている。

金氏は党中央委員会第7回拡大総会の最終日の会議で、かんがいシステムの改良、近代的な農業機械の生産、耕地の拡大を指示した。

拡大総会は農業部門の改善という「緊急の」課題を話し合うため先月26日から開かれていた。

韓国は北朝鮮の一部地域での餓死者増加など食料危機の悪化について警告している。

朝鮮中央通信(KCNA)によると、金氏は「先進技術と現代文明を持つ豊かで高度な社会主義農村」を構築するための計画と具体的な課題を提示した。

また、国家経済計画を実施する上で規律を強化する必要性を強調し、「内閣の組織力と執行力を弱める行為」をけん制。全ての党組織に「作業効率の検証」を命じた。

中央委員会は財政管理の改善方法についても話し合ったという。詳細は不明。

韓国政府によると、北朝鮮の昨年の作物生産は前年比で4%近く減少。夏の豪雨や経済的な条件などが影響した。

専門家は、適切な農業インフラ、機械、肥料・燃料などの不足で北朝鮮が自然災害の影響を受けやすくなっていると指摘している。

韓国の慶南大学校のイム・ウルチュル教授は「国営メディアは新たな目標と行動計画が設定されたと報じているが、かんがいや開墾など全ての要素はすでに取り上げられており、目新しい内容は見られない」と指摘。

韓国の北韓大学院大学校のヤン・ムジン教授も、新たな構想は発表されておらず、韓国が食料不足の原因とみている穀物政策を変更する可能性も示されなかったと述べた。

ロイター
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