ニュース速報

ワールド

豪第3四半期GDP、前期比+0.6%に鈍化 物価・金利高が消費に影響

2022年12月07日(水)11時42分

 オーストラリア統計局が12月7日に発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.6%増加し、前四半期の0.9%増から伸びが鈍化した。写真はシドニーのオペラハウス。2016年11月撮影(2022年 ロイター/Steven Saphore)

[シドニー 7日 ロイター] - オーストラリア統計局が7日に発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)は前期比0.6%増加し、前四半期の0.9%増から伸びが鈍化し、エコノミスト予想の0.7%増に届かなかった。物価高騰と金利上昇が個人消費に影響した。

前年比では5.9%増加。予想は6.2%増だった。昨年終盤に新型コロナウイルス禍から経済活動が再開したことが大きく寄与した。

家計消費は前期比1.1%増と、引き続き経済成長の原動力となった。旅行や外食、新車購入の支出がけん引した。ただ、伸び率は第2・四半期の2.1%から鈍化し、1年ぶりの低さとなった。

オーストラリア準備銀行(中央銀行)による物価と需要の抑制に向けた金融引き締めが効果を表していることが示唆された。

キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、マルセル・ティエリアント氏は、金融引き締めや実質収入の減少が消費を圧迫しつつあるため、第3・四半期の「そこそこ良い」GDP成長率は悪化前の「最後の輝き」となる可能性があると述べた。

GDP統計では物価上昇圧力が広範囲に及んでいることが示され、国内需要の物価指数(GDPデフレーター)は1.8%上昇と、2000年の物品サービス税導入以降で最大の伸びを記録した。

賃金と類似性のある従業員報酬は06年以来の大幅な増加率となった。失業率が3.4%の低水準で推移する中、企業は人員の獲得・維持のための出費を余儀なくされた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾経済、今年6%近く成長する可能性=統計当局トッ

ビジネス

在欧中国企業、事業環境が6年連続悪化 コスト上昇と

ワールド

豪10月就業者数は予想以上に増加、失業率も低下 利

ワールド

ロシアとカザフスタン、石油分野の関係強化で合意 首
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中