[ソウル 7日 ロイター] - 北朝鮮軍は7日、先週の米韓空軍合同演習について「あからさまな挑発で危険な戦争演習」だと指摘し、「断固たる、圧倒的な」軍事措置で対応し続けると表明した。北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)が伝えた。

米韓の空軍基地や戦闘機への攻撃を想定した措置で、対応したことも明らかにした。

米韓が5日まで6日間の合同空中訓練「ビジラント・ストーム」を実施する中、北朝鮮は先週、複数のミサイルを発射し、うち1発は大陸間弾道弾(ICBM)とみられるミサイルで発射に失敗した可能性がある。また、海に向けて多数の砲弾を発射した。

KCNAによると、朝鮮人民軍総参謀部は米韓の訓練について「緊張を意図的に高めることを狙ったあからさまな挑発」であり、北朝鮮に対する「非常に攻撃性の高い危険な戦争演習」だと非難した。

また「敵のしつこい戦争ヒステリーを打ち砕く」ために空軍基地や航空機、韓国の主要都市へのさまざまな攻撃を想定した軍事活動を行ったと発表した。

韓国軍合同参謀本部の当局者は7日、韓国沿岸沖に先週落下した北朝鮮の短距離弾道ミサイルの一部とみられる破片を回収したと明らかにした。北朝鮮の弾道ミサイルが韓国領海の近くに着弾したのは初めてだった。

<主張が対立>

朝鮮人民軍は、原子力発電所と大規模な工場団地がある韓国南東部の沿岸都市、蔚山沖に向けて「戦略」巡航ミサイル2発を2日に発射したと発表した。

韓国の当局者はこの主張は「事実でない」とし、蔚山沖周辺でミサイルは確認されていないと説明した。

朝鮮人民軍は「分散弾頭を搭載した戦術弾道ミサイル」2発の発射、「敵の作戦指揮系統をまひさせる特殊機能弾頭」の実験、戦闘機500機による「総力戦出撃」なども行ったとした。

軍総参謀部は、米韓が「より不安定な対立」を引き起こしていると非難し、両国の訓練に「持続的で断固とした圧倒的かつ実践的な軍事手段」で対抗すると強調。

「敵の挑発的な軍事行動がしつこく続くほど、朝鮮人民軍はより徹底的かつ容赦なく対抗する」とした。

<新たなミサイルか>

アナリストらは、北朝鮮国営メディアが公開した画像にこれまで報じられていない新型もしくは派生型のICBMが写っているようだとしている。

カーネギー国際平和財団のミサイル専門家、アンキット・パンダ氏は「北朝鮮の声明では明確でないが、これまでに見たことのある設計ではない」と指摘。

ミサイルのサブシステムを評価するための開発プラットフォームだった可能性があり、1基のミサイルで核弾頭を異なる標的に投下できる複数個別誘導再突入体(MIRV)の可能性もあるとした。

その上で「ICBM級ミサイルであることは間違いない」と述べた。

一方、不拡散研究センターのジョージ・ウィリアム・ハーバート非常勤教授は、画像に写っているのは2017年に初めて発射実験が行われた北朝鮮のICBM「火星15」の新型ノーズコーン(先端部)ではないかとの見方を示した。

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