ニュース速報

ワールド

米オピオイド禍の経済損失、20年だけで1兆4700億ドル=議会報告書

2022年09月29日(木)13時49分

 9月28日、米上下両院の合同経済委員会は、米国の医療用麻薬オピオイド禍について報告書を発表し、コロナ禍の時期にオピオイド中毒・乱用による死者がさらに増えたことで、オピオイド禍関連の経済的損失は2020年だけで1兆4700億ドルに上ったとの推計を示した。写真はオピオイドベースの鎮痛薬。オハイオ州にある薬局で2017年6月撮影(2022年 ロイター/Bryan Woolston)

[ワシントン 28日 ロイター] - 米上下両院の合同経済委員会は28日、米国の医療用麻薬オピオイド禍について報告書を発表し、コロナ禍の時期にオピオイド中毒・乱用による死者がさらに増えたことで、オピオイド禍関連の経済的損失は2020年だけで1兆4700億ドルに上ったとの推計を示した。19年の4870億ドルから急増したという。

推計は米疾病対策センター(CDC)の科学者の分析方法に基づき、物価上昇も調整。その上で、このペースに基づくと今後もさらに損失額が膨らむ可能性が高いとした。CDCのデータによると、21年の全米の薬物過剰摂取死10万7000人のうち、オピオイドは75%を占めている。

合同経済委のデービッド・トローン下院議員(民主党)はオピオイドの犠牲者の規模について「ボーイング737小型ジェット旅客機が毎日1機ずつ墜落し、全員死亡するのに匹敵する」と指摘。これにより、その分の生産性や雇用が失われ、巨額の医療費負担が発生していると説明した。

バイデン大統領は23日、オピオイド過剰摂取の治療や密輸行為への制裁、取締捜査官らのための予算増額に向けて計15億ドル近くを予算に充てる意向を発表していた。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国万科の社債権者、返済猶予延長承認し不履行回避 

ビジネス

ロシアの対中ガス輸出、今年は25%増 欧州市場の穴

ビジネス

ECB、必要なら再び行動の用意=スロバキア中銀総裁

ワールド

ロシア、ウクライナ全土掌握の野心否定 米情報機関の
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 7
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 8
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 9
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 10
    米空軍、嘉手納基地からロシア極東と朝鮮半島に特殊…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 9
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中