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北朝鮮でコロナ以外の感染症、医療逼迫懸念 コレラか腸チフス疑い

2022年06月16日(木)15時33分

[ソウル 16日 ロイター] - 北朝鮮は16日、腸感染症の流行を報告した。新型コロナウイルス感染拡大への対応に追われる医療システムが一段と逼迫する可能性がある。

国営の朝鮮中央通信(KCNA)によると、金正恩朝鮮労働党総書記は15日、「急性腸内性感染症」の患者を早急に支援するため南西部の海州市に医薬品を送った。患者の数や疾患の詳細は報じていない。

KCNAによると、金総書記は「感染が疑われる人の隔離や疫学的診察・科学的検査による感染確認を行い、できるだけ早期に封じ込める必要性を強調」した。

漢陽大学医学部のShin Young-jeon教授は「腸チフスや赤痢など腸の病気は北朝鮮では特に新しいものではないが、新型コロナへの対応に苦慮している中で発生したことが問題だ」と指摘した。

韓国統一省高官は、腸感染症流行への対処で北朝鮮に協力する用意があるが、北朝鮮は対話に応じておらず、新型コロナワクチン提供の申し出にも反応がないと述べた。

また別の同省高官は、コレラか腸チフスが流行している疑いがあるとして、状況を注視していると述べた。

海州市のある黄海南道は北朝鮮の主要な農業地域で、干ばつによって深刻な状況にある同国の食糧事情への影響が懸念されている。

北朝鮮は新型コロナの感染抑制にも追われている。16日に公表した新たな発熱患者は2万6010人で、4月下旬以降の累計では456万人に迫っている。死者は73人。

ロイター
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