ニュース速報

ワールド

中国当局、違法な石炭貯蔵施設を排除へ 石炭先物下落

2021年10月27日(水)15時03分

 10月26日、中国当局は、石炭の主要生産地域の一部で貯蔵施設を「整理」し、無許可の施設を排除する方針を明らかにした。写真は内モンゴル自治区包頭市の石炭火力発電所。2010年10月撮影(2021年 ロイター/David Gray)

[27日 ロイター] - 中国当局は、石炭の主要生産地域の一部で貯蔵施設を「整理」し、無許可の施設を排除する方針を明らかにした。石炭価格抑制に向けた取り組みの一環。

これを受け、中国の一般炭先物は約1カ月ぶりの安値に下落した。6営業日続落となっている。

鄭州商品取引所の一般炭先物は午前の取引で10%急落し、ストップ安。先週付けた最高値から約40%値下がりしている。

国家発展改革委員会(発改委)は26日遅くに出した声明で、主要生産地の山西省、陝西省、内モンゴルには許可が下りていない石炭貯蔵施設が多数あり、「違法な取引業者が石炭をため込むのに都合のいい場所」となり、市場の機能を「著しく阻害」していると指摘した。

発改委は、この3地域では調査を加速し、監督を強化するだけでなく、合法的な石炭貯蔵施設に関する報告制度を確立し、無許可の施設を排除する必要があるとの見解を示した。違法な貯蔵施設を利用して価格をつり上げる行為などを取り締まるべきだとした。

中国は世界最大の石炭生産国・消費国。石炭火力発電が国内の発電全体に占める比率は約60%。

モルガン・スタンレーは26日の顧客向けリポートで、石炭の来年の平均価格が700元と、今年の912元から下落すると予想。

「政府の介入を受けて、平均販売価格は、炭鉱会社の失望を招く水準となるリスクがある。政府は、短期的には、冬のピークに向けて石炭生産の拡大を促す政策措置を講じるだろう」とし、需要の鈍化で需給ギャップがさらに縮小するとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

バイデン大統領、対中関税を大幅引き上げ EVや半導

ワールド

再送-バイデン政権の対中関税引き上げ不十分、拡大す

ワールド

ジョージア議会、「スパイ法案」採択 大統領拒否権も

ビジネス

米ホーム・デポ、売上高が予想以上に減少 高額商品が
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 2

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 3

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プーチンの危険なハルキウ攻勢

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    ユーロビジョン決勝、イスラエル歌手の登場に生中継…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 10

    ロシア国営企業の「赤字が止まらない」...20%も買い…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中