ニュース速報

ワールド

スペイン前国王、汚職疑惑捜査中に出国 行き先不明

2020年08月05日(水)07時48分

 8月4日、スペインを出国したフアン・カルロス1世前国王(82)は、ドミニカ共和国に滞在している。バングアルディア紙とABC紙が伝えた。写真はルクセンブルクで昨年5月撮影(2020年 ロイター/Francois Lenoir)

[マドリード/サントドミンゴ 4日 ロイター] - バングアルディア紙とABC紙は、スペインを出国したフアン・カルロス1世前国王(82)がドミニカ共和国に滞在している、と報じた。

一方、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴにある移民局は、前国王が最後に同国を訪れたのは2月28─3月2日だと説明。同国外務省も前国王の入国に関する情報はないとしている。

スペイン王室は3日、前国王が出国すると長男の現国王フェリペ6世に伝えたと発表。前国王に対しては、サウジアラビアでの高速鉄道建設計画を巡り裏金を受け取った疑惑が浮上し、スペインとスイス当局が捜査に乗り出していた。

バングアルディア紙によると、前国王は3日午前に車でポルトガルに移動、飛行機でドミニカ共和国に到着した。新たな落ち着き先を探す間、ここで家族とともに数週間過ごす。

3日の王室発表によると、前国王は国王への書簡で「私の私生活における過去のいくつかの出来事に対して国民の反響が広がる中」、国王が問題なく職務を遂行できるよう貢献したいとし、スペインを離れることを決めたと伝えた。

国王は、スペインの民主主義において、前国王の統治が象徴する歴史的重要性を強調した上で、前国王の決定に感謝すると伝えた。

フアン・カルロス1世は、フランコ総統が死去した1975年に即位し、長期にわたりフランコ総統により独裁体制が敷かれたスペインを民主主義国家に導いたとして国民の広い支持を集めた。ただ、近年はスキャンダルが頻発し、2014年に退位に追い込まれた。

前国王の弁護士は、出国しても前国王は捜査に協力する用意があると述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏「グローバリゼーションは時代遅れ」、新興

ビジネス

5月実質賃金2.9%減、5カ月連続 1年8カ月ぶり

ビジネス

インド、米自動車関税に対抗し報復関税 WTOに通知

ワールド

関税引き上げ8月1日発効、トランプ大統領「複数のデ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗」...意図的? 現場写真が「賢い」と話題に
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    コンプレックスだった「鼻」の整形手術を受けた女性…
  • 7
    「シベリアのイエス」に懲役12年の刑...辺境地帯で集…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 10
    ギネスが大流行? エールとラガーの格差って? 知…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中