ニュース速報

ワールド

米軍によるイランのソレイマニ司令官殺害は「非合法」=国連調査官

2020年07月07日(火)08時27分

 2020年1月、米軍が無人機攻撃でイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官ら10人を殺害したことについて、国連人権調査官は7月6日、国際法違反との見解を示した。ベイルートで2月16日撮影(2020年 ロイター/Aziz Taher)

[ジュネーブ 6日 ロイター] - 2020年1月、米軍が無人機攻撃でイラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官ら10人を殺害したことについて、国連人権調査官は7月6日、国際法違反との見解を示した。

超法規的・即決・恣意的殺害に関する国連特別報告者として、この問題を調査したアグネス・カラマール氏は報告書で、米国はソレイマニ司令官の車列への攻撃を正当化するような、米国の利益への攻撃が続いている、あるいは差し迫っていることを示す十分な証拠を出せなかったと指摘。米軍による攻撃は国連憲章違反だとした。

また、武装無人機による標的型殺人の説明責任を追及するとともに、こうした兵器の規制強化を呼び掛けた。

カラマール氏はロイターに対し、「世界は無人機の使用において、転換点となり得る重要な局面にある。(この件に関して)安保理は機能しておらず、国際社会は好むと好まざるとにかかわらずおおむね沈黙している」と語った。

同氏は9日に調査報告書を国連人権理事会に提出し、メンバー各国は対応を協議する予定。米国は2年前に同理事会のメンバーから外れている。

米政府は、ソレイマニ司令官が中東で民兵組織による米軍への攻撃を指揮していたと主張していた。

カラマール氏は報告書で、「ソレイマニ司令官はイランの軍事戦略やシリアとイラクにおける作戦行動を統括していた。だが、実際に人命への差し迫った脅威は存在せず、米軍の取った行動は非合法だ」と指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マレーシア、対米関税交渉で「レッドライン」は越えず

ビジネス

工作機械受注、6月は0.5%減、9カ月ぶりマイナス

ビジネス

米製薬メルク、英ベローナ買収で合意間近 100億ド

ビジネス

スターバックス中国事業に最大100億ドルの買収提案
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中