ニュース速報

ワールド

サウジとロシア、協調減産1カ月延長で合意 順守強化へ=関係筋

2020年06月04日(木)01時09分

サウジアラビアとロシアは、減産合意を順守しなかった国に対する圧力を強めながら、現行の協調減産を1カ月延長することで合意した。関係筋がロイターに対し明らかにした。ウィーンで2017年5月撮影(2019年 ロイター/Leonhard Foeger)

[ドバイ/モスクワ 3日 ロイター] - サウジアラビアとロシアは、減産合意を順守しなかった国に対する圧力を強めながら、現行の協調減産を1カ月延長することで暫定的に合意した。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」関係筋がロイターに対し明らかにした。

OPEC関係筋は「サウジとロシアは1カ月の延長で歩調を合わせている」とし、「減産合意のいかなる延長も、5月に合意を完全順守しなかった国が今後、これまでの過剰な生産を相殺するために減産するかにかかっている」と述べた。

OPECプラスは、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた原油価格を支えるため、5─6月に日量970万バレルの減産を行うことで合意。減産規模は世界の原油供給の約10%に相当する。

OPECプラスは6月9─10日に会合を開く予定だが、OPECの議長国を務めるアルジェリアが4日への前倒しを提案。ただ関係筋は、会合の前倒しは現行の協調減産順守が条件になるとし、現時点では、合意水準を超えたこれまでの産油量にどう対応するかが協議されていると指摘。「解決が必要な問題が多いため、4日に会合は開催されないと予想している」と述べた。

OPECプラスの協調減産に加え、サウジ、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)は自主的に合計日量118万バレルの減産を実施しているが、複数の関係筋は、3カ国はこの自主的な減産を継続する意向を持っていないことを明らかにした。

OPEC加盟国では、イラクとナイジェリアの減産合意順守率が低迷。加盟国外ではカザフスタンが順守していない。

OPEC関係筋は「新型コロナウイルス感染拡大抑制策が緩和される中、原油市場は全般的に正しい方向に向かって進んでいる。ただ、感染拡大の第2波が発生するリスクは常に存在しているため、慎重を期す必要がある」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、高市首相の台湾発言撤回要求 国連総長に書簡

ワールド

MAGA派グリーン議員、来年1月の辞職表明 トラン

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「裸同然」と批判も...レギンス注意でジム退館処分、…
  • 7
    Spotifyからも削除...「今年の一曲」と大絶賛の楽曲…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中