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中国工業部門企業利益、4月は減益率4.3%に改善 依然見通し暗く
5月27日、中国国家統計局が発表した4月の工業部門企業利益は、前年同月比4.3%減の4781億元(670億ドル)となった。写真は中国で2月撮影(2020年 ロイター/China Daily CDIC)
[北京 27日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した4月の工業部門企業利益は、前年同月比4.3%減の4781億元(670億ドル)となった。
自動車産業やエレクトロニクス産業の業績が改善し、減益幅は3月(34.9%減)より小幅となった。
中国経済は厳格な新型コロナウイルス封じ込め措置からの再開が進む中、回復状況はまちまちとなっている。ただ、国内消費や投資が低迷し、雇用へのしわ寄せが強まる中、利益は引き続き圧迫される見込みだ。
1─4月の利益は前年比27.4%減の1兆2600億元となった。1-3月は36.7%減だった。
4月は、自動車、特殊機器、電気機械、エレクトロニクス産業で業績が大幅に改善。41業種中23業種が増益となった。3月に増益を確保したのは8業種だった。
ただ国家統計局の当局者は、全体の業績見通しは楽観できないと指摘。市場の需要はまだ回復しておらず、工業品の価格も低迷が続き、コスト圧力は依然として高いという。
国有企業の1-4月の利益は前年同期比46.0%減。1-3月は45.5%減だった。
民間企業の1-4月の利益は前年同期比17.2%減。1-3月は29.5%減だった。
4月末時点の工業部門企業の負債は前年比6.2%増加。3月末時点は5.4%増だった。
工業部門企業利益統計は、主要事業の年間売上高が2000万元を超える大企業を対象にしている。
オックスフォード・エコノミクスのルイス・クイジス氏は、特に国有企業が支配的なコモディティーや重工業セクターで価格の押し下げ圧力が利益を圧迫し続けると指摘。「コモディティー価格に関する当社の見通しを踏まえると、国有企業と重工業セクターの収益性は今後数カ月は厳しい状況が続くと見込まれる」と述べた。
ノムラのアナリストはリサーチノートで「工業部門利益の減少が続くことで製造業への投資、雇用、歳入が打撃を受ける可能性がある。中国政府は新型コロナショックに対応するため景気刺激策を強化するだろう」と指摘した。
*内容を追加しました。