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トルコ大統領、難民やシリア情勢巡りEUやNATOと協議
3月9日、ブリュッセルを訪問しているトルコのエルドアン大統領(写真左)は、難民やシリア情勢を巡り欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)と協議した。写真中央はミシェルEU大統領、写真右は欧州委員会のフォンデアライエン委員長。ブリュッセルでの代表撮影(2020年/ロイター)
[ブリュッセル 9日 ロイター] - ブリュッセルを訪問しているトルコのエルドアン大統領は9日、難民やシリア情勢を巡り欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)と協議した。
協議の場に姿を見せた大統領は「シリアから生じた安全保障や人道面での危機はわれわれの地域、ひいては全欧州にとって脅威となっている」と指摘。「無関心なままでいられる余裕のある国は欧州にない」とした。
また「トルコが単独で実行している戦いにおいてすべての同盟国からの具体的な支援をわれわれは期待している。NATOは支援を明確に示す必要のある重大な時期にある」と述べた。
トルコは先月、難民の欧州への越境を容認。これを受け、数万の難民がギリシャ入りを目指している。
トルコには約360万人のシリア難民がいる。トルコとEUは2016年、EUがトルコに滞在する難民への経済支援などを実施するかわりに、トルコは難民の欧州行きを抑制することで合意していた。
しかし、トルコはシリア戦争を巡る欧州からの支援が乏しすぎるとして不満を強めている。トルコ軍はロシアの支援を受けた政府軍と対峙しており、犠牲者も増えている。
欧州委員会のフォンデアライエン委員長はエルドアン大統領との会談に先立ち、「ギリシャとトルコの国境における出来事がEU境界におおける政治的動機に基づいた圧力を示していることは明白だ」と指摘。「状況の解決にはこの圧力の緩和が必要になる」と述べた。
委員長は約40分間の協議後、相互の行動が必要との条件の下で問題の解決に向けて動く意思があるとするEU側のコミットメントをエルドアン大統領に明確に示したと述べた。
NATOのストルテンベルグ事務総長はエルドアン大統領との会談で、NATOは既に軍事基地やレーダー基地を含め、トルコに50億ドル超投じていると述べた。