[ワシントン 15日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のアジア太平洋局副局長ナダ・シュエイリ氏は15日、世界貿易を巡る不確実性が経済見通しに影を落とす中、日銀は緩和的な金融政策を維持し、利上げは非常に緩やかに進めるべきとの見解を示した。ワシントンで開催中のIMF・世界銀行年次総会に合わせてロイターのインタビューに応じた。

日本経済は今年これまでのところ、堅調な消費と輸出を背景に予想より良好に推移し、日米貿易合意によって不確実性がいくらか緩和されたと述べた。ただ、米中貿易協議の行方を巡る不透明感がくすぶり、世界の緩和的な金融環境が反転する可能性もあることから、成長へのリスクは下振れ方向に傾いているとした。

国内賃金が引き続き上昇し、物価上昇率を日銀の2%目標付近で持続的に維持できるほど消費を下支えできるかどうかについても不確実性があるとし、「不確実性の高さから、漸進主義が非常に重要になる」と語った。

日銀が来年1月までに追加利上げする可能性が高いという市場の見方については「段階的に、非常に段階的に(進め)、入手する全てのデータを検討することが重要だ」と述べた。

物価見通しに対するリスクは均衡しているとし、円安によるインフレへの影響は限定的だと指摘。「消費と基調的なインフレに関して懸念すべき過熱の兆候は見られない」とし、「日銀が後手に回っているという見方には同意しない」と述べた。

財政面では、日本が既に多額の公的債務を抱えていることを踏まえると、新政権は財政再建計画を策定し、いかなる支出計画も一時的で低所得世帯に的を絞ったものにする必要があると指摘した。

「消費税減税や対象を限定しない一律の給付金といった案は財政赤字に多大な負担をかけるため、現時点では日本にとって良い結果をもたらさないだろう」と述べた。

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