ニュース速報
ビジネス

ホンダ・日産がEV分野で提携、ソフト開発加速 三菱自も合流へ

2024年08月01日(木)19時07分

8月1日、ホンダと日産自動車は、検討してきた業務提携を具体的に進めるための覚書を締結したと正式発表した。写真は日産のロゴ。ニューヨークで3月撮影(2024年 ロイター/David Dee Delgado)

Maki Shiraki

[東京 1日 ロイター] - ホンダと日産自動車は1日、検討を進めてきた電気自動車(EV)分野を中心とする業務提携に関する覚書を締結したと正式発表した。販売後もソフトウェアで機能や性能を更新できる車両「SDV」向けプラットフォームの共同研究、電池、EV駆動装置「イーアクスル」の共通化、車両の相互補完、国内充電サービスなどで協業する。

両社で技術を持ち寄り開発スピードを加速するほか、規模拡大でコスト競争力を高め、EVで先行する米中勢に対抗する。巨額の開発コストを分担し、投資負担を抑える。

日産が34%超を出資している三菱自動車も同日、ホンダ・日産の枠組みに参画する方向で協議を進めると正式に発表した。

同日会見したホンダの三部敏宏社長と日産の内田誠社長は、EVで先行する米テスラや中国BYDとの差は「スピード」とみており、三部社長は「試合は始まったばかり。まだ十分戦える」と説明。内田社長も「素晴らしい技術があっても事業化できなければ意味がない」と語り、協業を通じて対抗する意欲を示した。

三部社長は、SDV向けプラットフォームについて「基礎要素技術の共同研究に合意し、すでに研究を始めている」といい、「1年後をめどに基礎研究を終えることを目指し、成果が出れば量産化の可能性を検討する」と説明。同プラットフォームを搭載した車は「30年の手前くらいには出したい」と語った。

内田社長は、5つの協業領域の中でも「特にキーとなるのがソフトウェアだ」と指摘。アプリの追加や更新で新たな付加価値を顧客に迅速に提供したり、電力マネジメントを高度に知能化してEVの省電力性を向上させたり、自動運転の技術も進化させることを狙うと話した。三部社長はまた、ソフトの開発費は額が大きいため投資負担軽減の点でも協業は「メリットが非常に大きい」と述べた。

電池については、両社の計画している電池がどちらの車にも搭載できるようEV向けセル・モジュールの仕様を共通化する。ホンダがLGエナジーソリューションとの合弁会社で生産する電池を、日産が28年以降に北米で供給を受けることも検討する。

EV基幹部品のイーアクスルでは、モーターやインバーターを両社で共用し、中長期的に仕様の共通化を図る。車両の相互補完はEVのほか、ガソリン車でも検討する。

資本提携の可能性について内田社長は「現時点で検討していない」といい、三部社長も「ビジネスの可能性として否定するものではないが、話をしていない」と述べた。

日産は仏自動車ルノーと企業連合を組んでいるが、内田社長は、ホンダと協業を進めても「ルノーとの関係がなくなるわけではない。さまざまなパートナーと協業しながらさまざまな成長をつなげていく」と話した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:米中間選で広がるフェイク動画広告、有権者

ビジネス

スペースXのIPO、イートレードが個人投資家向け販

ワールド

トランプ氏、ホルムズ海峡巡り新たな警告 米和平案「

ビジネス

エネルギー価格は年内下落と予想、市場の見通しと一致
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思われるドローンの攻撃を受け大炎上
  • 4
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 7
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 8
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 10
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中