ニュース速報

ビジネス

1月月例報告、消費を再度下方修正 先行きさらに下振れリスク

2021年01月22日(金)17時38分

 1月22日、政府は、1月の月例経済報告で景気の総括判断を「新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる」とし、昨年7月以来7カ月連続で同じ表現を踏襲した。写真は2017年12月、都内で撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 22日 ロイター] - 政府は22日、1月の月例経済報告で景気の総括判断を「新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるが、持ち直しの動きがみられる」とし、昨年7月以来7カ月連続で同じ表現を踏襲した。先行きについては「内外の感染拡大による下振れリスクの高まりに十分注意する必要がある」との表現を加筆し、さらなる下振れリスクに留意した。

項目別では感染拡大と緊急事態宣言の発令による外出自粛の影響を反映し、国内総生産(GDP)に占める割合が大きい「個人消費」の判断を2カ月連続で下方修正した。

<個人消費、巣ごもり需要堅調もサービス支出弱い>

「個人消費」は昨年12月の「一部に足踏みもみられるが、総じてみれば持ち直している」との表現を「持ち直しの動きに足踏みがみられる」に引き下げた。在宅勤務拡大による内食需要で食品や酒類の販売などは堅調だが、感染拡大による自粛で食事会・飲み会、旅行などサービス需要が減少しているのを反映した。

「業況判断」も「厳しさは残るものの、改善の動き」から「非製造業を中心にこのところ慎重さがみられる」に引き下げた。景気ウオッチャー調査で飲食やサービス、小売りなど非製造業の指数が急速に悪化しているのが理由。

<倒産件数は減少、休廃業・解散増加を警戒>

個人消費や業況判断の下方修正にもかかわらず、総括判断を据え置いたのは、「設備投資」と「住宅建設」が改善している要因がある。

「設備投資」は12月に「このところ減少している」としていたが、製造業の機械投資を中心に下げ止まりつつあるとして「下げ止まりつつある」に変更した。

住宅建設も「弱含んでいる」から「おおむね横ばい」に引き上げた。貸家の着工減少は続いているが、持ち家の受注は改善傾向にあるという。

「雇用情勢」については「感染症の影響により、弱い動きとなっているなかで、雇用者数等の動きに底堅さもみられる」との表現を据え置いた。有効求人数が12月以降横ばいとなっており、先行きに注意が必要と指摘している。

「倒産件数」も「このところ緩やかに減少している」との判断を据え置いているが、一方で休廃業と解散件数が増加基調にある点を警戒している。

(竹本能文 編集:内田慎一)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米政府機関閉鎖、損失は「1週間で」150億ドル 財

ワールド

米政府、戦略的企業への出資引き上げ中国に対抗=財務

ビジネス

英、11月発表の予算案で大幅増税に踏み切るべき=シ

ワールド

トランプ氏、CIAにベネズエラ秘密作戦承認 マドゥ
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 7
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 8
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 9
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 10
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中