ニュース速報

ビジネス

ファーストリテ、9―11月期は23%営業増益 コロナ不透明で通期据え置き

2021年01月14日(木)17時26分

ファーストリテイリングは14日、20年9―11月期(国際会計基準)の連結営業利益が前年同期比23.3%増の1130億円と大幅増益になったと発表した。国内や中国を中心とするグレーターチャイナ地域でのユニクロ事業が好調に推移した。写真は、都内に新たにオープンしたユニクロショップ。2020年6月19日に撮影。(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 14日 ロイター] - ファーストリテイリングは14日、2020年9―11月期(国際会計基準)の連結営業利益が前年同期比23.3%増の1130億円と大幅増益になったと発表した。国内や中国を中心とするグレーターチャイナ地域でのユニクロ事業が好調に推移した。足元では計画を上回って推移しているものの、新型コロナウイルス感染症の動向が不透明なため、21年8月期通期見通しは据え置いた。

国内ユニクロ事業は、9―11月期に同55.8%の営業増益となった。

新型コロナ感染拡大の影響による在宅の増加に対応した商品などが好調で、既存店売上高は7.3%増となった。期初には通期で4%増を想定しており、足元は、これを上回って推移している。Eコマース(電子商取引)は同48.3%増の367億円に拡大した。

また、海外ユニクロ事業は、売上収益が計画を若干下回ったものの、粗利益率の改善や経費効率化で9.5%増益と好調を維持。

中国や台湾がけん引してグレーターチャイナは増収・大幅増益となった一方で、東南アジアやオーストラリア、北米、欧州のユニクロ事業は、想定よりも大きく新型コロナの影響を受けて減収減益となった。

コロナ禍でも国内ユニクロ事業が好調に推移したことについて、岡崎健・グループ上席執行役員CFO(最高財務責任者)は会見で「生活に必要な衣料になりつつあることで、厳しい環境下でも売り上げを上げることができた」と評価した。

2021年8月期の売上収益は2兆2000億円(前年比9.5%増)、営業利益は2450億円(同64.0%増)、純利益は1650億円(同82.6%増)の見通しを据え置いた。リフィニティブがまとめたアナリスト16人の営業利益予想の平均は2632億円。

岡崎CFOは、通期計画据え置きの理由について「新型コロナの影響を見通すことが難しいため」と説明。昨年11月以降、世界中で新型コロナの感染が再拡大しているが「9―11月期が計画を上回る水準となったことで、現時点で上期(9―2月期)の業績は、計画を上回る進捗となっている」としたものの、「通期の業績予想は現時点で十分達成できる進捗と考えているが、新型コロナの感染動向が不透明なため、大きく変動する可能性がある」と指摘した。

今期の海外ユニクロの新規出店は155店(従来計画154店)、純増は95店(同119店)に修正した。

*内容を追加しました。

(清水律子 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英BP、第2四半期は原油安の影響受ける見込み 上流

ビジネス

アングル:変わる消費、百貨店が適応模索 インバウン

ビジネス

世界株式指標、来年半ばまでに約5%上昇へ=シティグ

ビジネス

良品計画、25年8月期の営業益予想を700億円へ上
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 2
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 5
    アメリカを「好きな国・嫌いな国」ランキング...日本…
  • 6
    アメリカの保守派はどうして温暖化理論を信じないの…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    トランプはプーチンを見限った?――ウクライナに一転パ…
  • 10
    【クイズ】日本から密輸?...鎮痛剤「フェンタニル」…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中