<為替> ドルが5日続伸した。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策見通しが利上げの可能性に傾く中、週間では2カ月ぶりの大幅な上昇率となる見通しとなった。

今週のドル上昇には、米国債利回りの上昇が背景にある。指標となる10年債利回りは一時、4.599%と1年ぶりの高水準に達した。今週発表された一連の経済指標が物価上昇圧力の高まりを示したほか、イランによるホルムズ海峡の事実上の閉鎖が継続していることが影響した。

一方、ウェルズ・ファーゴのG10外為戦略責任者エリック・ネルソン氏はリポートで、「足元のドル高は勢いを失い、ドル安に戻るだろう」と指摘。連邦公開市場委員会(FOMC)の大半のメンバーにとって、金利据え置きは事実上の引き締めと見なされているため、FRBは利上げ織り込みを正当化できないとの見方を示した。

CMEのフェドウオッチによると、FRBが12月会合で少なくとも25ベーシスポイント(bp)の利上げを行う確率は49.5%と、1週間前の14.3%から上昇している。

主要通貨に対するドル指数は0.32%高の99.27。一時は99.302まで上昇した。週間では約1.5%上昇した。

ドル/円は0.25%高の158.74円。日銀が15日に発表した4月の国内企業物価指数(速報、2020年基準)は、前年比4.9%上昇と、​2023年5月以来の高い伸びとなった。​中東情勢の不安定化を背景に石油関連製品を中心に幅広い品目の‌価格が上昇した。日銀が物価上振れリスクへの警戒を一段と高める可能性があり、市場の追加利上げ観測を補強する内容との指摘が出ている。

ユーロは0.39%安の1.1623ドル。一時、5週間ぶりの安値となる1.1617ドルをつけた。週間では約1.4%下落し、2カ月ぶりの大幅下落となった。

英ポンドは0.57%安の1.3323ドル。一時、5週間ぶりの安値となる1.3313ドルをつけた。週間では2%超下落し、2024年11月以来の大幅な下落率となる見通し。スターマー英首相が政権維持を図る中、政治的混乱が広がっていることが重しとなっている。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りが約1年ぶりの高水準に上昇した。中東のエネルギー供給の混乱を巡る懸念から原油価格が急騰する中、インフレ圧力を抑制するために米連邦準備理事会(FRB)が利上げを余儀なくされる可能性があるとの見方などを背景に、利回りは短期債から長期債に至るまで大きく上昇した。

イランと米国を巡っては、トランプ米大統領はイランに対し米国との合意を促し、これ以上我慢するつもりはないと発言。これに対しイランのアラグチ外相は、米国に対し「全く信頼していない」と述べ、米政府が真剣である場合に限り交渉に応じる考えを示した。また、トランプ氏は2日間にわたる中国訪問で中国の習近平国家主席とホルムズ海峡の開放で合意したと述べたものの、習氏の発言からは中国が戦争終結に向けてイランへの影響力を行使するかは示唆されなかった。

米国債の物価上昇圧力の強まりに対する防御力は低下しているとの見方から、米国債に投資することの魅力が低下している可能性があるとの指摘も出ている。タイナー氏は「インフレが高水準で不安定な局面では、債券が必ずしもポートフォリオのヘッジとして機能するとは限らない」とし、「原油や農産物などの下振れリスクに対する防御により適した資産に資金を移し、戦略的な資産配分を見直す動きも出ている」と述べた。

10年債利回りは14ベーシスポイント(bp)上昇の4.599%と、2025年5月以来の高水準を付けた。1日としての上昇は25年4月以来の大きさ。

30年債利回りは11.8bp上昇の5.131%と、25年5月以来の水準に上昇。1日としての上昇は25年5月以来の大きさ。

2年債利回りは9.4bp上昇の4.086%。25年3月以来の高水準を付けた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 主要株価3指数が軒並み1%超下落。原油価格の高騰が世界的なインフレ懸念をあおる中、人工知能(AI)関連銘柄の急騰がけん引してきた過去最高値水準から反落した。

指標となる米国債利回りがエネルギー価格の高騰と長期的なインフレへの懸念を反映して上昇し、リスクの高い株式に代わる魅力的な投資先となった。

売りが優勢な中でもS&P総合500種は7週続伸を記録。2023年12月に終了した9週連続の上昇以来、最長の連騰となった。一方、ナスダック総合とダウ工業株30種は週間で下落。ナスダックは6週連続の上昇が途絶えた。

S&P500の主要11セクターのうち、エネルギーは2.3%上昇した一方、残りの10セクターは全て下落。素材と公益事業の下げが最もきつかった。

個別銘柄では、エヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)はそれぞれ4.4%、5.7%下落。インテルは6.2%安となった。フィラデルフィア半導体指数は4%下落した。

一方、マイクロソフトは3.1%上昇。米ヘッジファンド、パーシング・スクエアは15日の規制当局への‌提出書類でマイクロソフト株の新⁠規取得を開示すると、同ファンドを率いるビル・アックマン氏が明らかに​した。

医療機器メーカーのデックスコムは6.6%高。アクティビスト(物言う株主)のエリオット・インベストメント​・マネジメントと連携し、独立取締役2人を任命するとともに取締役会の委員会を再編すると発表したことが好感された。

フォードは7.5%下落。エネルギー貯蔵事業への期待から直近2営業日で約21%急騰していた反動が出た。

ニューヨーク証券取引所(NYSE)では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.88対1の比率で上回った。ナスダックでは値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を3.23対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は193億2000万株。直近20営業日の平均は181億3000万株。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 米長期金利とドルの上昇を受けて売られ、1週間超ぶりの安値を付けた。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比2.7%安の1オンス=4561.90ドル。米長期金利の指標である10年債利回りが約1年ぶりの高水準に上昇し、金利を生まない資産である金の投資妙味が低下した。ドルは週間で約2カ月ぶりの大幅高となる見通しで、ドル建てで取引される金は海外勢にとって割高感が強まった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 米国時間の原油先物は3%超上昇した。トランプ米大統領とイランのアラグチ外相の発言を受け、ホルムズ海峡周辺での船舶への攻撃や拿捕(だほ)を終わらせる合意への期待が一段と後退したことを受けた。 清算値は、北海ブレント先物は3.54ドル(3.35%)高の109.26ドル。米WTI先物が4.25ドル(4.2%)高の1バレル=105.42ドル。週間ではブレントが7.84%、WTIが10.48%上昇した。アラグチ外相は15日、米国が協議継続の意思を示しているとのメッセージは受け取ったと表明。​米政府が真剣である場合に限り交渉に応じる考えを示した一方、米国を「‌全く信⁠頼していない」とも述べた。トランプ氏は、​イランに対する忍耐が限界に近づいていると述べ、中国の習近平国家主‌席とイランの核兵器保有​を望まず、「海峡の開放を​望む」という見解で一致し⁠たと明らかにした。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 158.76/158.79

始値 158.35

高値 158.84

安値 158.37

ユーロ/ドル NY終値 1.1625/1.1627

始値 1.1648

高値 1.1649

安値 1.1618

米東部時間

30年債(指標銘柄) 16時48分 98*04.50 5.1220%

前営業日終値 99*25.50 5.0130%

10年債(指標銘柄) 16時46分 98*07.50 4.5973%

前営業日終値 99*10.50 4.4590%

5年債(指標銘柄) 16時51分 98*09.25 4.2615%

前営業日終値 98*29.00 4.1210%

2年債(指標銘柄) 16時46分 99*12.38 4.0793%

前営業日終値 99*17.50 3.9920%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 49526.17 -537.29 -1.07

前営業日終値 50063.46

ナスダック総合 26225.15 -410.08 -1.54

前営業日終値 26635.22

S&P総合500種 7408.50 -92.74 -1.24

前営業日終値 7501.24

COMEX金 6月限 4561.9 ‐123.4

前営業日終値 4685.3

COMEX銀 7月限 7754.7 ‐778.1

前営業日終値 8532.8

北海ブレント 7月限 109.26 +3.54

前営業日終値 105.72

米WTI先物 6月限 105.42 +4.25

前営業日終値 101.17

CRB商品指数 399.2901 ‐0.9918

前営業日終値 400.2819

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