ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請78.7万件、2週連続で減少 なお高止まり

2021年01月01日(金)02時34分

米労働省が31日に発表した26日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は78万7000件と、前週の80万6000件から減少した。写真はアーカンソー州フォートスミスで失業保険申請に並ぶ市民ら。4月撮影(2020年 ロイター/Nick Oxford)

[ワシントン 31日 ロイター] - 米労働省が31日に発表した26日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は78万7000件と、前週の80万6000件から減少した。ただ、新型コロナウイルス危機の収束が見えない中、申請件数は高止まりが続いている。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は83万3000件だった。

申請件数は3月に記録した686万7000件から改善しているものの、金融危機に見舞われた2007─09年当時の66万5000件をなお上回っている。

調整前の新規失業保険申請件数は84万1000件と、前週から約3万2000件減少した。コロナ禍で引き起こされた経済的な衝撃で申請件数の季節調整が難しくなっていることから、エコノミストは調整前の数字にも注目している。

19日までの1週間の失業保険受給総数は521万9000件と、前週から約10万件減少し、4月以来の低水準となった。

自営業者や単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」などに適用されるパンデミック失業支援(PUA)を受けている人は12日までの1週間で846万人と、前週から81万人減少。失業保険の受給期間を最長13週延長するパンデミック緊急失業補償(PEUC)を受けている人は477万人と、前週から2万人減少した。

双方を合わせた受給者数は約1300万人に上る。両プログラムとも26日に失効したが、追加コロナ経済対策の成立に伴い延長が決まった。

オックスフォード・エコノミクスの米国担当主任エコノミスト、ナンシー・バンデン・ホーテン氏は「緊急プログラムが延長され、週300ドルの追加給付金が支給されているため、今後数週間は申請件数が膨らむ可能性がある」と指摘した。

有効なコロナワクチンの承認や政府の追加経済対策を追い風に、2021年の見通しは上向いているものの、コロナ感染はいまだに収束しておらず、政府の対応も分断されていることから、今後数カ月間は一段と厳しい状況が続くとみられている。

前出のバンデン・ホーテン氏は「21年後半の経済見通しは明るいが、それまでは経済、労働市場とも困難な状況が待ち受けており、失業保険申請件数は依然として高止まりが予想される」と述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

仏レミー・コアントロー、30年の売上拡大目標撤回 

ビジネス

中国航空会社がエアバス機の大規模発注検討と報道、欧

ビジネス

バークレイズ、S&P500種指数の年末目標を605

ワールド

天安門事件36年、台湾総統と米国務長官が犠牲者を追
MAGAZINE
特集:韓国新大統領
特集:韓国新大統領
2025年6月10日号(6/ 3発売)

出直し大統領選を制する李在明。「政策なきポピュリスト」の多難な前途

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 4
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    韓国大統領選挙、最終投票率79.4% 一部では二重投票…
  • 7
    女性が愛馬に「後輩ペット」を紹介...亀を見た馬の「…
  • 8
    「不思議な発疹」の写真に、ネットで議論沸騰...医師…
  • 9
    【クイズ】医薬品や放射線シールドとして使われる「…
  • 10
    「過去最高の税収増」の皮肉...トランプ関税が米雇用…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 5
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
  • 6
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 7
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 8
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 9
    ウクライナが「真珠湾攻撃」決行!ロシア国内に運び…
  • 10
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 3
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 8
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    ペットの居場所に服を置いたら「黄色い点々」がびっ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中