ニュース速報

ビジネス

米消費者物価、6月は前月比+0.6% ガソリンなど上昇も抑制続く

2020年07月15日(水)01時13分

米労働省が14日発表した6月の消費者物価指数は前月比0.6%上昇と、伸び率は2012年8月以来の大きさとなった。ニューヨークで5日撮影(2020年 ロイター/JEENAH MOON)

[ワシントン 14日 ロイター] - 米労働省が14日発表した6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比0.6%上昇と、伸び率は2012年8月以来の大きさとなった。ガソリン価格と食品価格の上昇が寄与した。ただ、基調的なインフレ率は引き続き低調で、米連邦準備理事会(FRB)は経済回復に向け資金を供給し続けるとみられている。

5月は前月比0.1%下落と、3カ月連続で下落していた。

6月の前年比は0.6%上昇。5月は0.1%上昇と、15年9月以降で最小の伸びだった。

ロイターがまとめた6月CPIのエコノミスト予想は、前月比で0.5%上昇、前年比で0.6%上昇だった。

MUFGのチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「全国的な新型コロナウイルスの感染第2波で景気低迷は長引くだろう。低成長期間の長期化と軟調な需要がインフレ率を抑制し続ける」と述べた。

6月はガソリン価格が12.3%上昇。ガソリン価格が上昇するのは今年初めて。食品価格は0.6%上昇。5月は0.7%上昇していた。家庭で消費される食品の価格は0.7%上昇した。

牛肉価格は上昇トレンドを維持し、4.8%上昇した。過去3カ月では20.4%上昇している。食肉処理施設で新型コロナ感染が拡大し、供給不足になったことを反映した。ノンアルコール飲料や果物、野菜の価格も上昇した。

変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比で0.2%上昇。5月は0.1%下落と、1957年の統計開始以来初の3カ月連続下落だった。

服飾費が1.7%上昇と、伸び率は1990年2月以降で最大だった。航空運賃は2.6%上昇と、15年5月以降で最大の伸び。医療費や家庭用品、タバコなどの価格も上昇した。

ホテルなどの宿泊料金は1.4%上昇。ただ家賃は0.1%上昇と、13年7月以降で最小の伸びだった。新型コロナのパンデミックにより失職した賃借人の支払い猶予を反映している可能性がある。5月は0.3%上昇していた。

コア指数の前年比は1.2%上昇。5月の伸びと一致した。

FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は5月に前年比1.0%上昇と、10年12月以降で最小の伸びだった。6月のコアPCE価格指数は今月下旬に発表される。

INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「各州で新型コロナ抑制措置が再び導入されているため、経済失速を懸念するFRB当局者が増えている。信用の流れと低金利を維持する必要な措置が続けられるだろう」と語った。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、来年に地政学リスク巡る銀行のストレステスト

ビジネス

ブラックストーン、ペンシルベニア州のデータセンター

ビジネス

ルノー、25年通期見通し下方修正 ミントCFOが暫

ワールド

トランプ氏、ベトナムとの貿易協定「ほぼ完了」 詳細
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 5
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 6
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中