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サウジ、政府系ファンドに外貨準備400億ドル注入 投資原資に
5月29日、サウジアラビア政府は、政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)の投資資金として、中央銀行の外貨準備から3月と4月に総額1500億リヤル(400億ドル)注入した。写真はサウジのリヤル紙幣。リヤドで3月撮影(2020年 ロイター/Ahmed Yosri)
[リヤド 29日 ロイター] - サウジアラビア政府は、政府系ファンド、パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)の投資資金として、中央銀行の外貨準備から3月と4月に総額1500億リヤル(400億ドル)注入した。ジャドアーン財務相が5月29日、明らかにした。
サウジアラビア通貨庁(SAMA、中央銀行)の外貨準備高は、中銀のデータに基づくロイターの計算で3月は約4645億ドルで、前月から約270億ドル減少したとみられる。減少幅は少なくとも過去20年で最大だ。
ジャドアーン財務相は声明で、外貨準備からPIFへの資金移管は特別な措置と説明した。月単位の注入額は明らかにしていない。
財務省当局者はロイターに、3月が150億ドル、4月は250億ドルそれぞれPIFに注入したと述べた。
同当局者によると、PIFも投資資金確保のため、保有するリアル資金を一部米ドルに交換した。
ジャドアーン財務相は声明は「年初からの外貨フローは平均して歴史的なレベルにあるが、この措置(PIFへの資金移管)で投資計画を支えるために純外貨準備資産が減少した」と述べた。PIFの投資は、公表された中銀データには反映されないとしている。
「サウジの資産のリターン最大化は経済パフォーマンスや財政にプラスに働き、新型コロナウイルスの世界的流行による悪影響を抑えることにもなる。PIFの投資リターンは、必要な際に財政を支えるのに活かせる」としている。
PIFの運用資産は3000億ドル超。配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ