ニュース速報

ビジネス

米FAA、737MAXの生産問題を調査 年内の運航再開認めず

2019年12月12日(木)11時41分

 12月11日、米連邦航空局(FAA)のディクソン長官は、米ボーイングの旅客機「737MAX」の生産上の問題を調査していると明らかにし、年内の運航再開を認めない方針を示した。ワシントン州レントンで3月撮影(2019年 ロイター/David Ryder)

[ワシントン/シアトル 11日 ロイター] - 米連邦航空局(FAA)のディクソン長官は11日、米ボーイングの旅客機「737MAX」の生産上の問題を調査していると明らかにし、年内の運航再開を認めない方針を示した。

ディクソン長官は、737MAXの審査状況を巡り下院運輸・インフラ委員会で証言し、運航再開までに完了すべき一連の措置が依然残されていると述べた。

737MAXの生産に関する調査は、ボーイングのマネジャーだったエド・ピアソン氏が、生産計画に伴うプレッシャーや労働者の疲労によって安全面のリスクが高まっていたと指摘したことを受けたもの。

ピアソン氏は公聴会で、インドネシアとエチオピアで起きた墜落事故における「迎え角(AoA)センサー」の問題について、ボーイング工場内の「警戒すべき混乱状態」によって品質や安全性が損なわれたことと関連があると指摘。

「配線や機能テストの問題が頻繁に起きていた工場で機体が生産されたわずか数カ月後に、複数のフライトでセンサーが機能しなかったのは警戒すべきだ」と述べ、「工場は混乱状態にあった」と証言した。

議員は、インドネシアで起きた最初の事故を受けてFAAが内部で行った分析で、機体の運航を続ければ深刻な墜落リスクがあることが示されていたにもかかわらず、なぜ一段と踏み込んだ対応を取らなかったのかディクソン長官に問いただした。

運輸委のピーター・デファージオ委員長は「FAAはそうした分析にもかかわらず、ボーイングがソフトウエアを修正する間も737MAXの飛行継続を容認した」と同局の対応を非難した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 4

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 5

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 6

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 9

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 10

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中