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ECBがTLTRO第3弾開始、供給額34億ユーロと期待外れ
[フランクフルト 19日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は19日、市中銀行を対象とした長期資金供給オペ(TLTRO)の第3弾を開始した。域内企業に対する与信の流れを確保するのが狙い。ただ銀行への供給額は34億ユーロ程度にとどまり、期待外れの発進となった。
銀行側が過去に実施されたTLTROで借り入れた資金のうち、318億ユーロ相当の返済で合意していることに加え、TLTROの新たな条件に対する理解不足、さらには来月30日に導入される金利階層化を待ちたいという思惑などが背景にあるとみられる。
ノルデアのエコノミスト、ヤン・フォン・ゲーリッヒ氏は「今回のオペは明らかに残念な結果に終わり、ECBが期待するほど新たなTLTROが強力な政策手段となり得ないことが浮き彫りになった」と話した。
ECBは先週の理事会でTLTROの条件緩和を決定。期間を当初の2年から3年に延長したほか、金利は預金金利のマイナス0.5%に設定した。これにより銀行は貸出目標を達成すれば一定の払い戻しを受けることができる。
また金利階層化の導入に伴い、銀行がECBに預ける預金の一部がマイナス金利の適用、つまり預金に対する利払いを免除され、銀行にとっては利ざやを高める機会となる。このため、12月のオペでは供給額が増える可能性もある。