ニュース速報

全ての核引き渡しを要求、トランプ氏が金正恩氏に=関係筋

2019年03月30日(土)16時14分

[ワシントン 29日 ロイター] - ベトナムの首都ハノイで開催された米朝首脳会談が物別れに終わった2月28日に、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長に、全ての核兵器と核燃料を引き渡すよう求めていたことが明らかになった。

トランプ大統領が金委員長に手渡した文書をロイターが入手した。

関係筋によると、米国が求める「非核化」とは何を意味するか、その定義をトランプ大統領が金委員長に直接伝えたのはこれが初めて。

これまで米側も北朝鮮側も会談が決裂した理由を明確に説明していないが、この文書が一因となった可能性がある。

同文書の存在はボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が首脳会談後のテレビインタビューで言及していた。ただ核兵器と核燃料の引渡しを求めたことは明らかにしていない。

専門家は文書について、ボルトン氏が主張してきた「リビア方式」による北朝鮮の非核化を求めるものとみている。北朝鮮はリビア方式を繰り返し拒否しており、金委員長は挑発的で侮辱されたと感じたのではないかという。

関係筋によれば、文書は米国が考える「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の簡潔かつ明確な定義を北朝鮮側に示す狙いがあった。

ホワイトハウスはコメントの求めに応じていない。米国務省はコメントを控えた。

ロイターが入手した英語の文書は「北朝鮮の核施設、化学・生物兵器プログラムとこれに関連する軍民両用施設、弾道ミサイル、ミサイル発射装置および関連施設の完全な廃棄」を求めている。

さらに(1)核開発計画の完全な申告と米国を含む国際査察団の全面的な査察受け入れ(2)あらゆる核関連活動の停止と新規の関連施設の建設中止(3)全ての核関連施設の廃棄(4)核開発に携わる科学者・技術者の商業部門への異動、を要求した。

ワシントンのシンクタンク、スティムソン・センターの北朝鮮問題専門家であるジェニー・タウン氏は、文書は驚くような内容ではないとした上で「ボルトン氏が当初から求めていたもので、うまくいかないのは明確だ。米国が(北朝鮮との)協議に真剣なら取るべき手段でないと学んでしかるべきだった」との見方を示した。

同氏は「これまでに一度ならず拒否された提案だ。これをまた持ち出すのは侮辱的だ」と述べ、交渉のたたき台にはならないと指摘した。

※写真を追加、見出しを差し替えました。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:フロリダよりパリのディズニーへ、カナダ人

ビジネス

NY外為市場=ドル横ばい、米CPI受け 円は週間で

ビジネス

米国株式市場=3指数が週間で下落、AI巡る懸念継続

ワールド

トランプ氏、有権者ID提示義務化へ 議会の承認なく
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の定説に挑む、3人の日本人科学者と外科医
  • 4
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベル…
  • 5
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 9
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 10
    「賢明な権威主義」は自由主義に勝る? 自由がない…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中