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英CPI、12月は前年比+2.1% 約2年ぶり低水準
[ロンドン 16日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が発表した12月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.1%上昇だった。燃料価格の下落で、11月の2.3%上昇から鈍化し、2017年1月以来、約2年ぶりの低い伸びとなった。
同国では、欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)決定に伴うポンド安を背景にインフレが進行し、2017年11月にはインフレ率が5年ぶり高水準の3.1%に達した。その後、インフレ率は低下している。
国立統計局は「過去数カ月の原油安を背景にガソリン価格が急低下したことが、インフレ率低下の主因だ」と指摘した。
インフレ率は英中銀の目標である2%を上回っているが、エコノミストは、近く2%を下回る可能性が大きく、英中銀は利上げを急ぐ必要はないとみている。
英下院は15日、メイ首相のEU離脱協定案を歴史的大差で否決した。
英中銀は、さまざまな離脱シナリオを準備しているが、合意なく離脱する場合は、ポンドが対ドルで等価に下落し、インフレ率は6%を超え、経済成長は8%のマイナスに落ち込むと想定している。
キャピタル・エコノミクスのシニア英国エコノミスト、ルース・グレゴリー氏は「ブレグジットをめぐる不透明感で、英中銀はとりあえず政策金利を据え置いているが、世界的な引き締めサイクルに乗り遅れることはないとみている」と述べた。
同時に発表となった12月の生産者物価指数は、投入指数が前年比3.7%上昇と、前月の5.3%上昇を大幅に下回り、2016年6月以来の低い伸びとなった。市場予想は3.5%上昇だった。
産出指数は前年比2.5%上昇。前月は3.0%上昇、市場予想は2.9%上昇だった。
11月の住宅価格は前年比2.8%上昇。前月は2.7%上昇だった。ロンドンの住宅価格は0.7%低下。金融危機以来初めて、5カ月連続の低下となった。
*内容を追加しました。