格差が固定された世界へ

中世の時代には統一した権力が存在せず、あちこちに小さな権力と暴力が分散していた。ミクロのレベルで悲惨な事案が多発する一方、社会全体としては大きな変化がなく安定していたのが特徴である。

前近代的社会においては、市場が分断化されてコストが増加するため、モノの値段が高くなる。供給に制限が加わるので経済活動も停滞。市場拡大が見込めないため金融システムが発達せず金利も高く推移する。

多くの人にとって機会が奪われる一方、土地や事業資産、あるいは金融資産を所有している人は、そこから一定の利子や配当を得ることができるので、「持てる」人たちにとっては意外と居心地がよい。つまり世界全体が前近代化していくと、社会の再分配機能が低下し、結果として階層間の移動も起こりにくくなる。

このままの状態を放置すれば、こうした未来への蓋然性は確実に高まってくるだろう。変化への対応は目に見えてからでは遅く、手を打つなら今しかない。

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