[ロンドン/ブラジリア/ベンガルール 18日 ロイター] - 来年の世界経済は、今年と似たような状況になるかもしれない。つまり先進国の緩やかな成長が他の地域の弱さをカバーするが、物価上昇圧力は全体的に乏しく、低金利が継続するだろう。
米連邦準備理事会(FRB)のゼロ金利解除は米国経済の先行きに対する自信の表れといえる。半面、中国経済は依然として利下げによって足場を固めなければならない。
また多くの国で為替レートが政策を議論する主な判断材料となっていることからすれば、ドル相場の今後の動きは極めて重要になる。
HSBCのエコノミスト、ジャネット・ヘンリー氏とジェームズ・ポメロイ氏は、米国と世界の経済について2つの極端なシナリオを提示する。1つは米経済が最終的に自らの景気回復を維持できるだけでなく、世界全体の貿易や成長を拡大させるほどかなり力強くなり、海外からのデフレ圧力を払しょくしていまうというもの。もう1つは米経済がドル高を通じて、他の先進国同様にデフレに屈して、せっかく利上げしたFRBもすぐ利下げに追い込まれるという展開だ。
両氏は「実際に起こる事態はこの2つのシナリオの間になるとわれわれは考えている」と述べた。
ロイターが18日に120人のエコノミストを対象に実施した調査では、FRBは来年3月に再利上げするものの、来年全体の利上げペースは自身が示唆しているほど急速にはならないとみられている。
また調査では世界経済の成長率は平均3・4%程度にとどまる見通しだ。中国経済が減速し、他の新興国を取り巻く環境も厳しいため、4%に達するとの予想はほとんど見当たらない。
ドルの全面安も見込みがたく、ドル最強気派はユーロ/ドルが1ドルを割り込む可能性があるとみている。
<明るい部分も>
米経済の成長率と物価上昇率の見通しは、昨年のこの時期に予想されたよりも低調になっている。賃金は上昇したとはいえ、大方の想定よりも伸びは鈍い。
市場の動きに目を向ければ、1年前と比べて米国株はほぼ横ばい、上昇が見込まれていた米国債利回りもそれほど変わらない水準で推移している。原油価格は1年半前に1バレル=100ドル超から下がり始めて今や40ドル割れとなったが、今後反発するとの声は次第に弱まりつつある。相当の幅で上昇するよりも20ドルまでさらに下がる確率の方が大きいとの見方まで一部で出ている。
ただ、明るい部分も存在している。
欧州中央銀行(ECB)による大規模な資産買い入れを支えにユーロ圏はようやく緩やかな成長軌道に乗り、失業率は低下し始めた。
新興国の中でもインドはこれまでの利下げの効果などを背景に相応の成長を達成すると期待される。エネルギーセクターに対する最近の歴史的な改革がもたらすメリットを徐々に活用するようになってきたメキシコについても楽観ムードが強まっている。
(Ross Finley、Silvio Cascione、Rahul Karunakar記者)
※一部の表現とキャプションの一部を修正しました。