当初の懸念と裏腹に、李は現実的な「2重路線」の下、日本との歴史問題と未来志向の協力を切り分けている。中国や北朝鮮の脅威が高まるなか、強固な日米韓安全保障協力を呼びかけるアメリカは、日韓関係改善を歓迎している。
日韓首脳会談後、李は日中韓3カ国が「最大限の共通点を見いだし、意思疎通や協力を図る」ことが必要だと強調した。だが日中韓自由貿易協定(FTA)交渉は打開のめどが立たず、24年に鳴り物入りで再開された日中韓サミットも昨年は開催されなかった。
日本と中国ばかりか、中国とアメリカの間でも綱渡り状態の李は、実用外交を行動で示す必要がある。世界が未知の領域に突入するなか、韓国に不可欠なのは過去に高い代償をもたらした近視眼的な戦略的曖昧さではなく、現実主義に根差した戦略的明確さだ。
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