水中ドローンの潜水艦攻撃を補足できるのはIl-38N機だけだった

SBUが公開した映像には、飛行中のIl-38Nの姿が短く映し出された後、ロシアの空軍基地と見られる滑走路に駐機している同型機の衛星画像に切り替わる。そしてそこに、ウクライナのドローンが上空から接近する映像が映し出される。

映像はその後、港湾エリアの海面で爆発が起きる場面へと切り替わる。SBUによれば、これはノヴォロシスクでロシアの潜水艦を標的とした攻撃の瞬間だという。

SBUによれば、潜水艦に接近するウクライナの水中ドローンを捕捉できるロシアの哨戒機は、このIl-38Nだけだったという。「この対潜哨戒機を無力化したことにより、特殊作戦の主要部分の成功が確実となった」とSBUは述べている。Il-38N哨戒機1機の価格は約2400万ドル(約35億円)とされる。

これに対してロシア黒海艦隊の報道官は12月15日、ウクライナが「無人水中機による破壊工作を試みたが、目標は達成されなかった」と主張した。攻撃後に公開された衛星画像には、ノヴォロシスク基地の一部に損傷が見られるが、キロ級潜水艦がどれほどの被害を受けたのかは不明のままだ。

ウクライナによれば、ノヴォロシスクに配備されていたキロ級潜水艦には、ロシアが繰り返しウクライナに向けて発射してきた艦船発射型の巡航ミサイル「カリブル」の発射装置が4基搭載されていた。SBUによれば、この船体が音を吸収し、ソナー探知を回避する設計になっているという。

この潜水艦の建造コストは約4億ドルで、国際的な制裁の影響を考慮すると代替艦をロシアが新たに建造するには約5億ドルがかかる見込みだという。

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