しかしイランは崩壊せず、核開発を諦めた兆しもない。イスラエルの目的は達成されておらず、対するイランは核を含む抑止力の再構築に突き進む。来たるべき年に両国が再び戦火を交える可能性は十分にある。
こうして中東は大いなる不確実性の時代に突入した。イスラエルはその軍事的優越を見せつけたが、周辺諸国と協力して新たな政治秩序を築こうとする気配はない。イスラエルの目標は地域の誰にも支持されておらず、結果として戦線は広がる一方で、もはや自力で抑え切れないほどの混乱を招いている。
さて26年はどうなるか。イスラエルの戦略は許容できないから、周辺諸国は団結して対抗する。アラブ系の諸国も、今や従来ほどはイランの脅威を感じていない。
そうなると中東地域の各国が気にかけるのはパレスチナ人の運命であり、シリアやレバノンの不安定性であり、ペルシャ湾岸の友好国(カタールなど)にも平気でミサイルを撃ち込むイスラエルの強硬姿勢だ。
アメリカが概してイスラエルの戦争を容認してきたのは周知のとおり。だが同盟国カタールでのハマス幹部殺害はアラブ圏の親米諸国にとって想定外で、あんなことがあり得るなら自分の国も安心できないという疑念が生じている。
そうであれば、各国ともアメリカだけに頼ってはいられない。現にサウジアラビアはパキスタンと安全保障上のパートナーシップを結んだ。イランからトルコに至る他の諸国も同様な動きに出る可能性がある。
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