──若い世代と共に挑んだ現場で、いろいろと試して感じたことは?

今の世の中、とりわけ日本では安心、安全が求められる。でも、それだけを大切にする現場では安定感のある作品は作れても、次につながる刺激的で革新的なものは生まれない。その壁をどうぶち破るか、どう闘うかは、僕がエンタメ業界で長年やってきたことでもあります。

自分自身をアップデートするためにも、若い世代と共に革新的な作品を作ることは、「まだやりたい」と思える最後の希望だと思います。

──それに挑戦するために『イクサガミ』は格好の題材だったか。

原作者の今村翔吾さんは数多くの時代小説を書かれていますが、時代ものを今にどう届けていくかに挑戦している、自分と同じようなことを考えている方だなと、勝手にシンパシーを感じてきました。

ほぼ全ての作品を読んでいますが、その中でも『イクサガミ』にはどこか異質なものを感じます。まさに「活劇」というべきエネルギッシュな面白さと自由さがある。これなら堅くなりすぎず、どの世代も楽しめるいいあんばいの時代もの、かつ大人のエンタメが作れる、と思いました。

──大人のエンタメ活劇にするために注力したことは?

ストーリー性とキャラクター性、そして文化をしっかり載せた作品にすることです。侍は「高潔で強い」という硬質なイメージを世界中で持たれている。本作では、侍をデスゲームを通して捉えながら、同時に「暮らし」を入れることにこだわりました。

良質な時代劇には、暮らしがしっかり描き込まれている。本作でも信仰や神楽やお祭り、当時はやった葛飾北斎の「逆さ富士」の画などをどこかで撮ろうと決めていきました。

そんな暮らしの中で、幕末から明治初期に侍がいかに「必要のない存在」になっていくかをちゃんと描けば面白いのではないか、と考えました。

※後編はこちら:『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】

岡田准一

newsweekjp20251224025456.jpg
PHOTOGRAPH BY MAKOTO ISHIDA FOR NEWSWEEK JAPAN, HAIR & MAKEUP BY AKIKO SOMON, STYLING BY SHINICHI MITA(KIKI INC.), COSTUME BY BERLUTI (BERLUTI INFORMATION DESK: 0120-961-859)

1980年生まれ。95年V6としてCDデビューし、現在は主に俳優として活躍。2002年のドラマ『木更津キャッツアイ』で人気を博し、その後も数々のドラマや映画に出演する。14年にはNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』で主演を務め、15年の日本アカデミー賞では『永遠の0』で最優秀主演男優賞、『蜩ノ記』で最優秀助演男優賞を受賞。来年には『SUKIYAKI 上を向いて歩こう』が公開予定。

【関連記事】
【独占】高橋一生が「台湾有事」題材のドラマ『零日攻撃』への出演を決めた理由...「日本では作り得ない作品」
■主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画『トルネード』...その「気になる内容」とは?
■なぜ世界中の人が「日本アニメ」にハマるのか?...鬼滅にエヴァ、ジブリに隠された「思想と哲学」

ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます