それは一つの正しい方法ではありますが、僕は「年上からは生き様を学び、年下からは時代を学ぶ」という言葉が好きで。

だから本作の現場では、上の世代が知見を伝えて経験で包み込み、下の世代に「やってみろ」と任せていく、もし間違えたら調整していくから、というやり方を試しました。いつの時代も「時代」は若い奴らがつくっていく、というのが僕の持論です。

──監督に藤井道人を指名したのも、岡田さんだと聞く。

映画『最後まで行く』(23年)で出会い、彼は天才だと感じました。ものをつくっていく上での問題点やそれをどう解決したらいいかの理解も、仲間たちが育っていることも、目線も含めて、彼が30代後半までに積み上げきたものは信じるに足ると思います。

映画『最後まで行く』予告編

そういう意味でも、彼がいるから時代劇をもう一度作れると僕は思いました。

──藤井監督はとても柔軟な印象がある。

柔軟に見せて、実は軸がぶれない。僕が無謀な提案をすると一緒に方法を考えてくれるときと、「それは無理です」ときっぱり却下するときがある。そして非常に理解が速い。

羊の皮をかぶりながら狼のように意志を貫く藤井監督は、時代を生きるすべを象徴していると思います。

侍の「暮らし」を描くことにこだわった理由