
──「時代劇をアップデートする」に込めた思いは?
本作で僕がやりたかったのは「活劇」と呼ばれていた頃の「活きた時代劇」です。
近年は「時代劇とはこういうもの」と自分たちで枠を決めてしまうことが多いと感じていました。例えば作法一つ取っても、「段取り」を覚えるにはその心を知ることが大切です。本来は相手を慮(おもんぱか)れば作法になる。
でもいつしか「こうしてはいけない」と枠にはめ、道を遮断してモノを作っている気がしていました。
体の使い方も「背筋をピンとしなさい」と教えられても、背筋ではなく仙骨を立てないと窮屈で緊張した芝居になってしまう。着物や甲冑の着方にしても、若手に時代劇を伝えるやり方にしても、いろいろと疑問を持っていました。
なぜ侍が袴(はかま)を選んだのか、なぜ正座が生まれたのかなど、これまで主演という立場で共演者にさりげなく伝えてきたことも含めて、勉強や発見をしながら自由で理にかなったモノづくりをやりたかった。
──そのために、具体的にはどんな方法を取った?
今回は、全員30~40代の若いチーフをそろえました。そうしないと結局、時代劇の経験を積んでこられた上の世代の方々に撮っていただこう、となってしまう。
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