新たな「ベイビーガール」
スロスバーグが注目を集めている理由は、ケネディ家の血筋だけではない。スロスバーグはコンテンツクリエイター兼政治コメンテーターとしてSNSで存在感を見せており、InstagramとTikTokを合わせて160万人以上のフォロワーを抱える。
「シリー・グース(「お調子者」の意)」を名乗る彼は、ニューヨークでの暮らしを軽妙に切り取った動画を投稿している。川でのパドルボード、共和党を茶化す寸劇――ファーストレディのメラニア・トランプを題材にしたものもある――そして、ゆるい妄想めいた語りまで、その内容は幅広い。
英フィナンシャル・タイムズ紙は、彼の身長約188センチ、ケネディ家の象徴ともいえる頬骨、そして「カメラ映えするつぶらな瞳と魅力的な笑顔」に言及している。こうした外見と空気感が、ネットでいう「ベイビーガール」の典型に当てはまるのだ。
端的に言えば、魅力的で、常にオンライン上にいて、少し混沌とした「みんなの関心を集める存在」。スロスバーグは政治的な語りと、力の抜けた軽いユーモアを掛け合わせる。その組み合わせがZ世代の心をつかんでいる。
「ベイビーガール」人気だけでは説明できない部分も
ニューヨーク市で政治・広報会社を運営するジェームズ・クリストファーは、本誌の取材にこう語る。
「ジャック・スロスバーグが出馬表明をきっかけに急速に人気を集め、メディアの渦の中心に立っているのは、『ベイビーガール』的なファンダムだけが理由ではない。ケネディ家のレガシーは、歴史上もっとも大きな『ポップスター的血統』とも言える。それは何十年ものあいだアメリカ人を惹きつけ続けてきた」