ちなみにゲラシモフが最後に公の場に姿を現したのは昨年12月29日。国営通信社RIAノーボスチによれば、ゲラシモフはこの日、ドネツク州マリンカの攻略でめざましい働きのあった軍人を表彰する国のイベントに出席した。以来、消息が伝えられていないことや、ロシア国防省が沈黙を続けていることが噂に拍車をかけた。

彼の動向や発言はいかなる国営メディアでも伝えられていない。

ウィスコンシン大学マディソン校のミハイル・トロイツキー実務教授は本誌の電子メール取材に対し2日、ロシア当局が沈黙を守っているのは、ウクライナ侵攻中でもあり、軍高官の居場所や生死について情報公開する動機付けがないからで、別に驚くようなことではないと語った。

 

「つまり、政治指導者たちは司令官たちに公の場や記録の残る場で発言させたくないのかも知れない。例え司令官たちが生きていて元気だったとしてもだ」とトロイツキーは述べた。「軍司令官の仕事は人の目に触れないところでの作戦立案だ」

またトロイツキーはこうも述べた。「もしロシア政府が一部欧米諸国の戦争疲れにさらに拍車をかけようとしているなら、軍幹部を表に出さず文民統制がきちんとできていることを強調するほうが得なのかもしれない」

不自然なロシア政府の反応

ジョナサン・スイート元米軍大佐と元エコノミストのマーク・トスは「ゲラシモフ将軍はどこにいて、なぜそれが問題なのか」という意見記事をキーウ・ポストに投稿。ゲラシモフ死亡説は疑わしいが、「公の場に姿を現していないことやロシア政府が彼の状況についてだんまりを決め込んでいるのは」興味深いと書いている。

いわく、ゲラシモフがクリミア半島で死んだという噂にロシア政府が反応しないのは「奇妙」だ。なぜなら、ロシア政府はソコロフ司令官の死については否定していたからだ。

「ロシア政府が沈黙を続けていること自体が物語っていると言えるかも知れない。プーチンはウクライナが積極的にロシア軍幹部を標的にしていることが心配なのだろうか」と、2人は述べた。

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