トルコはウクライナ戦争で、ロシアとウクライナの双方に貸しをつくってある。西側のロシア制裁には加わらず、対ロシア禁輸品はトルコ経由でロシアに流れる。一方、ウクライナにはドローンを供与し、対ロ支援も続けている。こうして双方を相手に利益を上げ、「戦争のことではいつでも仲介する」と見えを切る。

中国やロシアのように口先でアメリカを罵り、軍事演習で威嚇したつもりになるような児戯をトルコはやらない。15年、領空に侵犯したロシア戦闘機を即座に撃墜し、ロシアは苦汁を飲まされた。

向かうところ敵なしの感さえあるエルドアン大統領だが、不安は自身の健康状態、若者の支持離れ、IMFの支援が必要なほど苦しい経済不振にある。それでも、持てる力をフルに使って国の威信を貫く姿。隣に大国がないからできるのだが、日本人としてはつくづく羨ましい。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます