軍事専門家のデービッド・ハンブリングは以前、本誌に対して、キンジャールは軌道修正能力に限界があり、あらゆる兆候が、真の極超音速兵器というよりも「単なる空中発射弾道ミサイルであることを示している」と述べていた。

だがロシアが「きわめて限られた数の」キンジャールしか保有していないとしても、その発射装置がこれまでよりも増えれば、「ロシアがキンジャールを一斉に発射して(ウクライナの)防空システムを圧倒しようとする可能性が出てくる」とハンブリングは4日、本誌に語った。「ロシア政府が国民に対して、自国の技術は今も発展を続けていると納得させるための『いいニュース』を欲しがっているということも、今回の報道の背景にあるのかもしれない」

だがウクライナ軍はこの数カ月で、複数のキンジャールミサイルの撃墜に成功したと発表している。

ロシアも脆弱性に困惑?

ウクライナ空軍の司令官であるミコラ・オレシュク中将は、ウクライナは2023年5月初旬にミグ31Kから発射された「無敵のダガーを撃墜」することに成功したと発表。その後に米国防総省が、ウクライナ軍が運用する米国製地対空ミサイルシステム「パトリオット」がロシアのキンジャールを迎撃したと確認。これについて「ロシア国防省のある高官」はロシア国営メディアで「希望的観測」だと一蹴した。

ウクライナは6月半ばまでに、24を超える「キンジャール」を撃墜したと発表。イギリス国防省は5月半ばにソーシャルメディアへの投稿の中で、ロシアは「キンジャールの脆弱性に驚き、困惑している可能性が高い」と指摘していた。

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