ガーウィグの3作目のソロ監督作品であるこの映画は彼女の自伝とも解釈できる。ロビー演じるバービーがリアルな自分になろうとするように、もともとインディーズ映画の女優として注目されたガーウィグもスポットライトを浴びてレッドカーペットを踏む自分に違和感を抱き、監督業に専念する決意をしたのだ。

大手スタジオと組んで大型娯楽作を撮ったことで「魂を売った」と、ガーウィグを非難する向きもある。だが、これだけ大きなスケールで思う存分異才を発揮した彼女なら、今後も異色作を世に放つはず。

映画の後半、有能なキャリアウーマン兼良き母親であることに疲れたグロリアが女性に押し付けられる無理難題(「スリムでないとダメだけど痩せすぎはダメ、老けてはダメ、失敗はダメ」など)をきっぱりと拒否する場面がある。

ガーウィグも独自のスタイルを貫いて、「誰にもこびていないのに誰もが楽しめる」夏休み映画を作ってみせた。

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Barbie

バービー

監督/グレタ・ガーウィグ

主演/マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング

日本公開は8月11日

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