<中国が雇用主となってロシアやウズベキスタン、アフリカ諸国に派遣され、劣悪な環境で搾取される北朝鮮人労働者8万人...。その「外貨」の8割が「忠誠基金」、つまり金総書記の懐に...>

ミサイル開発が達成に近づくなか、北朝鮮は7回目の核実験に向けて準備を進めているようだ。

4月に行った固体燃料式の新型ICBM「火星18」発射実験の成功は、ICBM技術開発が最終段階間近だと示唆している。残るステップは、核弾頭の小型・軽量化を目指した核実験だけだ。

    

国際社会は事態を傍観し、黙認するのか。北朝鮮は既に事実上の核保有国で、今やICBM技術の完成に手が届きかけている。絶望的な状況に映るかもしれないが、何もしないという選択肢はない。

解決策を探る上でまず必要なのは、北朝鮮が国民の犠牲を「内なる原動力」にしていると理解することだ。北朝鮮市民は核開発を支えるため、命をささげている。最たる例が、外貨収入源として国外へ就労に派遣される労働者だ。

彼らは想像を絶する人権侵害にさらされている。

先頃、派遣先のロシアやウズベキスタンから韓国へ逃れた北朝鮮人労働者の話によれば、休日なしで1日12時間以上の肉体労働に従事し、極めて劣悪な住環境で共同生活を強いられる。外出も家族への連絡も禁じられ、厳重な監視の下で奴隷のような生活を送り、耐え切れずに自殺した人もいる。

賃金の最大8割は「忠誠基金」への寄付という名目で強制徴収され、核・ミサイル開発や金正恩(キム・ジョンウン)総書記の贅沢品購入の資金として使われている。

現在、北朝鮮人労働者の最大の「雇用主」は中国だ。北朝鮮との国境沿いにある遼寧省丹東市では推定約8万人が暮らす。

その一部は中国国籍と偽り、セネガルやアルジェリアへ送られている(2017年採択の国連安保理決議第2397号は対北朝鮮制裁の一環として、19年12月22日までに北朝鮮人労働者を送還するよう加盟各国に求めた)。

北朝鮮からの派遣労働者を取り巻く環境を注視すると、重なり合う2つの現象が見えてくる。労働者を外貨獲得マシンにおとしめる現代の奴隷制と、北朝鮮の核兵器開発に目をつぶる中国の態度だ。

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北朝鮮人労働者を救え