「昨年夏の私の取材中にも、潜水艇は約5時間にわたって消息を絶ち、(緊急時に位置情報を発信する)ビーコンを搭載すべきだという話が出た」と、ポーグは6月19日にツイートした。

別のツイートでは、もう少し詳しく説明した。「その日は私は潜水艇ではなく海上の母船の司令室にいた。母船から潜水艇に短いテキストを送ることはできたが、潜水艇の位置は確認できなかった。司令室内は静まり返り、異常に張り詰めた空気に包まれた。母船のインターネットは切断され、私たちはツイートできなくなった」

見逃された危険

ポーグはこの経験を通じて、潜水艇の安全性に大いに疑問を持ったと述べた。

あるユーザーは、「通信途絶のことはテレビで取り上げたのか」と、問いただした。「オーシャンゲートに運航停止を命じて捜査に入るべきだった」

こうした批判に対して、ポーグはこうツイートしている。「確かに、危険な兆候は数々あった! だから番組でも、ポッドキャストでも、安全性と潜水艇の建造についてCEOを問い詰める一問一答に多くの尺を割いたのだが」

タイタンの安全性については、オーシャンゲートの元海洋事業の責任者が疑義を呈していたことが訴訟記録から明らかになっている。この元責任者は企業秘密の漏洩で同社から訴えられ、安全性の問題を指摘したために解雇されたと、逆に同社を訴えた(2 件の訴訟は2018年に和解で決着)。

ポーグは、タイタンには遭難時に捜索を容易にするビーコンが備え付けられていなかったと断言している。脱出用ポッドもなかった。これについて、本誌はメールで確認中だ。

タイタンに積まれた4日分(96時間)の酸素の残量は、日本時間の22日夕方にはゼロになる。奇跡の救出を信じて、必死の捜索が続く。

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