大きな被害が出た南部ハタイの出身で野党の共和人民党(CHP)を長年支持してきた人物が、エルドアンには憎悪しか感じないが、大統領選では彼に投票すると私に話した。「奴は独裁者だ。だからこそ強引に事を進められる」

経済危機も深刻な先行き不安を招いている。通貨リラの暴落と超インフレが人々の生活を圧迫し、最近の調査では食費にも事欠くと答えた人が7割近くに上った。

国家経済を破綻寸前に追い込んだのもエルドアンの失政だ。それでも多くの有権者は何十年も政権を握ったことがない野党の指導者より、エルドアンの「剛腕」に頼るほうが無難だと判断したのである。

今のトルコの危機的状況はエルドアンが招いた。だが本人はその責任を棚に上げ、この国を救えるのは自分だけだと吹聴し、しぶとく権力の座にとどまった。

問題は人々の恐怖がもたらす支持率浮揚効果がいつまで持つかだ。あと5年続くエルドアン支配の行方を見守れば、その答えが分かるだろう。

From Foreign Policy Magazine

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