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ロシアの士気と経済から、NATO介入の可能性、歴史に学ぶ戦争の出口まで、河東氏と小泉氏(写真手前)の議論は続く HAJIME KIMURA FOR NEWSWEEK JAPAN

■河東 アメリカ国内では、事をどんどん先に進めようという勢力とウクライナはもういいかげんやめようという動きの2つがあって、どうなるのか分からないです。前者のほうは、ワシントンのいろんなロビイストたちがウクライナに兵器をもっと出すという方向で動いている。

そういうことをやるロビイストたちの数が2倍ぐらいになったと言います。彼らはウクライナのために無料でやっている格好にして、法律的な縛りをくぐって、実際にはアメリカの兵器会社から報酬をもらっている。

止めるほうの動きについて言えば、やはり(ドナルド・)トランプが大統領に復活するかどうか。非常に大きなブレーキになりますよね。まだ可能性は残っている。ロシアは当然それを意識に入れているでしょう。

■小泉 別にトランプでなくても、トランピアン的な人物であってくれればいいわけですよね。一番しっちゃかめっちゃかにしてくれるのはトランプなんでしょうから、ロシアにしてみれば2016年の再現は考えるでしょう。

来年は大変です。ロシアもアメリカも大統領選。台湾も総統選。本来、実はウクライナも大統領選なんですけど、戒厳令を出しているので、おそらくやらないだろうとみられています。もしそれでもやるんだとなった場合には、ロシア、アメリカ、ウクライナという戦争に関わる全部の国が大統領選挙に......。

※対談記事の抜粋第7回:経済無知で「謎の世界観」を持つプーチンらKGB出身者たち 河東哲夫×小泉悠 に続く。


小泉 悠(軍事評論家)
東京大学先端科学技術研究センター(グローバルセキュリティ・宗教分野)専任講師。著書に『ウクライナ戦争』『「帝国」ロシアの地政学』など。

河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)
外交アナリスト。ロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン「文明の万華鏡」主宰。著書に『日本がウクライナになる日』『ロシアの興亡』『遙かなる大地』(筆名・熊野洋)など。

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