<大好きなセレブがいる18~24歳の若者の割合は親世代の12倍に上るという。なぜZ世代は親世代よりもセレブにのめり込むのか? そこには「他人の人生」と孤独が......>

Z世代の若者たちは、どういうわけかセレブやインフルエンサーが大好きらしい──親世代など年長世代の中には、そんな印象を持っている人も多いのではないだろうか。

その印象は正しい。脳と心、メンタルヘルスを研究する非営利団体「セーピエン研究所」の最近の調査によると、18~24歳の若者は親世代に比べて、大好きなセレブがいる人の割合が12倍に上るという。

Z世代は、年長世代が若者だった頃とは比較にならないくらいセレブの情報に触れる機会が多いため、セレブに夢中になりやすいのだろう。

「ファンクラブに入会して、会報誌が年に数回届くのを待っていた時代は、それ以外の情報が手に入る機会がほとんどなかった」と、英ダービー大学のルース・シムズ上級講師(社会心理学)は言う。

現代は、ソーシャルメディアなどでセレブの情報が流れてきたり、オンライン上でセレブとファンがやりとりしたりする機会が大幅に増加した。朝食のメニューに始まり、寝室の内装に至るまで、「セレブの生活の細部を知ることが簡単になった」のだ。

セレブたちが「自分についての情報をファンに与えれば与えるほど、ファンはもっと知りたいと感じるらしい」と、シムズは指摘する。

この点では、セーピエン研究所の創設者兼チーフサイエンティストであるタラ・シアガラジャンも同じ意見だ。

「年長世代は、人と人が直接対面して交流するのが当たり前の環境で育ち、セレブに関する情報は紙媒体で時々手に入るだけだった」と、シアガラジャンは言う。そのため、そうした世代の多くは、リアルの人間関係とバーチャルな人間関係とを区別できる。

親はどう振る舞うべき?

それに対し、今の18~24歳の世代は、「対面による強力な人間関係を欠いている一方で、ソーシャルメディアでセレブの情報がひっきりなしに流れてくるため、(セレブに)過度にのめり込みやすいのかもしれない」と、シアガラジャンは指摘する。

ただし、シムズによれば、わが子がセレブに夢中になりすぎていると感じても、親は子供を問い詰めたり、叱ったりするべきではない。「少し批判的思考を促すくらいでいい」というのだ。

具体的には、セレブが発信している情報はその人の人生の全てではなく、本人が発信したいと思っている要素にすぎないこと、実はセレブが報酬を受け取って商品を紹介している場合があることなどを子供に話せばいいだろう。

セレブのことを『知っている』ように感じ始める