こうした考え方はメディア産業全体に広がっている。

ケーブルテレビ(CATV)運営大手コムキャストの娯楽部門NBCユニバーサルは、ストリーミング部門「ピーコック」への過剰投資を控えてきたことについて、先見の明があったと胸を張っている。

またパラマウント・グローバルのボブ・バキッシュCEOは先週、自社ストリーミング事業「パラマウント+」の成長を誇りながらも、5月27日に公開した大ヒット映画「トップガン マーヴェリック」を劇場だけで上映できるよう、ストリーミング配信を遅らせた決定を自画自賛した。

抜きん出るディズニー

業界全体がストリーミング事業を後退させているだけに、ディズニーが10日発表した第3・四半期(7月2日まで)決算が好調だったことは、ひときわ目を引く。

調査会社PPフォーサイトのアナリスト、パオロ・ペスカトーレ氏は、ディズニーが加入者数でネットフリックスを抜いたことは「ストリーミング戦争における重要な瞬間だった」と指摘。「両社一騎打ちの様相を呈している」と語る。

ディズニーはストリーミングサービスの総加入者数が約2億2100万人になり、ネットフリックスの2億2070万人を抜いたと発表。これを受けてディズニー株は急伸した。

ディズニーは、ネットフリックスを追撃するために事業を再編した最初の主要メディア企業だった。娯楽ブランドとしての世界的知名度を生かし、コンテンツに300億ドルもの投資を行うことで、ネットフリックスに競り勝った。

ただストリーミング事業においては、過去の実績が今後の成功を告げるとは限らない、とアナリストは指摘する。

サード・ブリッジのアナリスト、ジェーミー・ルムリー氏は「ディス二―にとって一番のリスクは、これまでの加入者増がマーベルやスターウォーズなど数々の主要フランチャイズ映画の完結時期と重なっていたことだ。次期コンテンツに移った時に加入者を増やす、あるいは維持できるかについては大きな不確実性が残っている」と述べた。

(Dawn Chmielewski記者、 Lisa Richwine記者) 

[ロイター]
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