政府部門が保持する巨額な経済利得を民間部門へ
実際には、渡辺努東大名誉教授が指摘するように(参考:賃金・物価・金利の正常化――第1ステージから第2ステージへ)、デフレから2%インフレに移行する過程で、最大の債権者である政府部門には「180兆円の経済利得(債務の実質減額)」が発生する。それゆえに、インフレタックス(インフレ税)によって税収の上振れが数年にわたって続いており、公的部門の財政収支改善が急ピッチで進んでいるのである。
政府部門が保持する巨額な経済利得(180兆円)の一部を、経済成長の主役である民間部門に戻すことが、妥当なマクロ安定化政策になる。特に可処分所得が増えていない家計部門への減税政策の効果は大きいし、数兆円規模の減税政策と同時に財政支出を増やすことは、相当程度は持続的な対応になる。
180兆円の経済利得を上手に利用・還元することが、高市政権による「責任ある積極財政」であり、それが実現することで日本経済は完全に復活する、と筆者は予想している。
(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)
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