「拡大主義的モンロー主義」に近い方針
それは昨年末に米政府が公表した新モンロー主義とも呼べる「国家安全保障戦略」との関係である。以前、本コラムでも解説したとおり、同戦略ではアメリカは西半球を絶対的な重要地域として認定し、権益を確保する一方、アジアや欧州など西半球以外の地域については基本的に関与しないという方針を明確にした。
南北アメリカ大陸においては帝国主義的に振る舞い、ヨーロッパやアジアに対しては無視するという、かつてセオドア・ルーズベルト大統領が提唱した拡大主義的モンロー主義に近い。
この新戦略に基づいて考えれば、南北アメリカ大陸でアメリカに従わない国は存在を許さないという解釈になり、反米政権であったベネズエラは真っ先に排除の対象になったと考えるのが自然である。
西半球においては力による現状変更を躊躇なく行い、それ以外の地域には関与しないということになると、理論上、中国やロシアのような国が他国を侵略してもアメリカは根源的に阻止しないとの推論が成り立つ。日本人はこうした政治思想に疎く、まだぴんときていない人も多いのだが、欧州ではこの新戦略に対して相当なまでの衝撃が広がっている。