他の時期ではどうなのか、という疑問もあるだろう。2010年以降の3年間隔で、失業者数と自殺者数(月単位)の相関係数を算出すると<表1>のようになる。

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どの時期でも男性の方が高かったのが、コロナ禍を含む3年間では逆転している。「失業→生活苦→自殺」という因果経路は、男性より女性で強くなっている。コロナ禍では、失職した層が違う。先に述べたように、販売やサービス業等の非正規雇用の女性だ。この中には、失職したら即生活破綻というギリギリの生活をしている人も含まれるだろう。たとえばシングルマザーだ。

こういう人たちに公的扶助の手が差し伸べられればいいのだが、日本の生活保護はあまり機能していない。コロナ禍でも生活保護受給者数の棒グラフは真っ平で、母子世帯にあっては減少の傾向すらある。母子世帯をターゲットにして、生活保護の削減が図られているのではないか、という疑いもあるくらいだ(「なぜ母子家庭への生活保護だけが減っているのか」本サイト2021年12月22日掲載)。

こういう理由から、女性の失業と自殺が強く相関するようになったことも考えられる。コロナ禍でダメージを受けているのは社会の弱い層で、公的支援の手も差し伸べられない。こうした問題の表れではないか。

まずは生活保護の運用実態について、外部による厳格な検証を行うべきだ。

<資料:総務省『労働力調査』

    警察庁『自殺の概要』

【グラフ】コロナ禍男女別の失業者数と自殺者数の相関関係
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