現在のところ、共和党は連邦議会襲撃事件についてもバイデンが合法的に選ばれた大統領であるかどうかについても意見を統一できずにいる。共和党全国委員会(RNC)は4日、トランプを批判し、議会襲撃事件を調査する下院特別委員会の委員になったにアダム・キンジンガー下院議員とリズ・チェイニー下院議員に対する問責決議を採択した。

これ対しマコネルは「(RNCは)多数派とは異なる考えを持っているかも知れない党のメンバーをやり玉に挙げる」べきではないと批判。ちなみにチェイニーはトランプが推す候補と予備選で戦っている。キンジンジャーは次の選挙には出馬しないことを決めている。

「われわれはそれ(議会襲撃事件)が起きたのをこの目で見ている。暴力的な反乱であり、その狙いは合法性を認められた選挙で平和的に権力が移行するのを妨害することだった」とマコネルは記者団に語った。

この発言を受けてトランプは、マコネルを批判する声明を出した。「ミッチ・マコネルの老いぼれカラスに言わせれば、民主党の歩く宣伝工作リズ・チェイニーや泣き虫アダム・キンジンガーをRNCが問責することは共和党の本質に反するらしい」

古き良き共和党は帰ってくるか

中間選挙対策を巡っては、マコネルは反トランプ派の大物上院議員たちの支援も取り付けている。ニューヨーク・タイムズによれば、反トランプで知られるメリーランド州のラリー・ホーガン知事に上院選出馬を働きかけるため、ミット・ロムニー上院議員やスーザン・コリンズ上院議員が駆り出されたという。

コリンズは昨年のトランプに対する弾劾裁判で有罪に票を投じた。ニューヨーク・タイムズに対し「トランプ(前)大統領など怖れるに足らず」と述べている。

ホーガンは今のところ上院選出馬の予定はないものの、トランプとトランプと共同歩調を取る党内のグループを繰り返し批判してきた。

ホーガンは13日、CNNに対し、党内で攻撃合戦が起きているとした上で「私が取り戻したいと思う(本来の)共和党とは、自由と真実を信じ、親愛なる指導者に100%の忠誠を誓わなくても誰からも攻撃されたりしない党だ」と述べた。

党内抗争の勝者となるのがマコネル派なのかトランプ派なのかは予断を許さない。しかし、たとえトランプが政治の舞台から退場したところで、彼が変えてしまった共和党の姿は元には戻らないだろう。

「緊張とは、(いったん表に出てしまえば)瓶の中に戻すことができないものだ」とノエルは本誌に語った。「もしトランプが明日、政界から姿を消したところで、彼が力を授けた党内の分子がいなくなるわけではない」

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